「台数がたりない……」
タブレット活用を進めれば進めるほど、この問題が出てきます。全校の先生・生徒あわせて900人以上。そこに導入されたiPadは10台。指導者用として先生方に割り振るのも学習者用としてクラスに割り振るのも難しいのです。
タブレット不足をどう補うか?
すぐに台数を増やすことはできないので、他から借りるしかありません。
そこで、学校における実践例を提供することで、一定期間タブレットを貸与してくれる先をあちこち探しました。
▼デジタル教科書教材協議会(DiTT)からiPad。
▼マイクロソフトからSurfaceRT。
▼NECからWindowsタブレット。
呼びかけに応じてくれた先から、少しずつ台数が集まりました。
バラバラなOSをどう使う?
次の問題は、iOS、WindowsRT、Windows8とそれぞれのOSがばらばらなことです。OSがばらばらなので、同じ使い方、同じアプリが使えないということになります。
「どうやって使おうか……」
タブレットでどんな活動をさせたいの?
タブレットの性能やOSの違いに翻弄されすぎて本末転倒にならないよう、理科の授業目標の達成を第一に考えてたどりついたのが「基本的な機能ですぐにできること」を中心に授業を構成していくことでした。
そこで、▼グループで話し合う際のまとめボードとして(3種類のOSに提供されている、共通の黒板アプリを使用)
▼実験や観察している様子の記録として(カメラ機能を使用)
このように割り切ることで生徒に説明する時間も短くてすみ、OSに依存することもありません。タブレットを配ればいつでもすぐに活動が始めることができるようになりました。「シンプルな活用」を目指すことで、OSに依存せず、授業でタブレットを効果的に使うことができたのです。
「活用」ではなく「活動」メインに
こうした基本的な使い方を続けることで、グループ活動で生徒がWindowsタブレットを使っている中、私がiPadで説明をしている、という授業風景が普通になりました。
先生も生徒もOSや多少の使い勝手の違いを意識することなく、タブレットを使うようになる。……いい感じの「慣れ」が、授業にみられるようになってきたのです。
【最終回・先生が変わる・生徒が変わる〜「いい感じ」の使い方に続く】
【2015年6月1日】
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