連載

授業で役立つタブレット活用 
試行錯誤から"いい感じ"の日々へ<大分市立大在中学校 望月陽一郎教諭>

(2)生徒が使うタブレット~グループで使うと「いい感じ」

某月某日・理科の実験。「先生、わからない」「これ、誰が使う?」「……」

タブレット端末(iPad)をグループに1台配り、プレゼンテーション作成アプリの説明をした後、実験記録を指示したところ、使い方がわからないという班、真ん中にタブレットを置いたままの班などもあり、実験はなかなか進まず……。

授業の様子が大きく変わる

その半年後の某月某日。授業の様子が大きく変わりました。
「なるほどグラフではこうなるんだ」「ここどうすればいいの?教えて〜」
実験ノートの記録データをタブレット端末上の表計算アプリに入力、表示されたグラフを見ながら「そこに見られる特徴」を班で話し合っています。話し合ったことを自分のノートにメモ。グループに各2台配ったタブレット端末を並べて教え合うシーンも見られます。

活用はシンプルに目的は明確にする

タブレット端末を使うだけで、生徒が興味関心を持つわけではない‐‐それが最初に分かったことです。積極的な生徒も消極的な生徒もいるのはICT機器の活用でも同じ。生徒の多くが「いい感じ」に活用するためには「シンプルな活用に絞る」こと。それが最初に気づいたポイントでした。

学校のiPadでは「黒板」アプリに書き込みながら「話し合う活動」。その後、マイクロソフトとNECの協力で活用を始めたWindowsタブレットでは、表計算ソフト「Excel」で事前にグラフ化まで設定したシートを準備。実験データを入力するとグラフ化されるようにしておき、生徒は「グラフからわかる特徴」について話し合いました。生徒の感想には「次はいつタブレットを使うのですか?」と書かれるように。「何をするのか限定する」ことで、生徒は活動の目的を理解しやすくなり授業もスムーズに進むようになったのです。

グループ2台で活用する良さ

2人に1台ではなく、なぜグループに2台か。生徒は「2台あると画面を自分の方に向けられるので見やすい」「使い方が分からない時は班の中で聞けばいい」と言います。話し合い、聞き合いながら活動できる「グループ活動」でタブレット端末を活用することが「いい感じ」2つめのポイントといえそうです。

【次回・iPadとWindowsを一つの教室で〜「いい感じ」で使えるの?に続く】

 

【2015年5月4日】

<<1へ3へ>>

関連記事

↑pagetop