連載

授業で役立つタブレット活用 
試行錯誤から"いい感じ"の日々へ<大分市立大在中学校 望月陽一郎教諭>

(1)iPadがやって来た~「いい感じ」事始め

「あれ、これiPad?」「授業で使えるのかな」「使ったことある?」「ないない、触ったことないもの」

技術・家庭科を中心に活用している学校の「コンピュータ室」では、古くなった機器の入れ替えが数年ごとに行われます。今回は、機器更新の際に、iPad10台・AppleTV(無線投影するための機器)・プロジェクターなどが同時に導入されました。そして私は、iPadの運用を任されることに。

「どうしたらよいだろう?」

教科担任制の中学校では、1時間ごとに指導する先生がクラスを移動していくので、その都度、設置や片付けが必要になります。

プロジェクター・AppleTV・電源。そして10台のiPad。生徒にも使わせるとなると、よほど先生が慣れていなければ「動かない」「どうすればいいの?」ということになりそうです。

「いい感じ」の事例をつくろう!

「思い切って、使用は『許可制』にしよう。使え使えと言うのではなく、使いたいと教員が思えるように、まずは自分が使って『いい感じ』に思える事例を作ろう」

iPadには提示用のアプリが多いので、教育委員会の許可を得てインストール。無線投影の不安解消・設置時間を短縮するため、「有線接続アダプタ」を購入してHDMIケーブル1本でiPadを接続できるようにしました。

早速理科の時間で活用してみます。

「では、教科書のここに注目して」

プロジェクターで大きく映した「教科書」を指で拡大しながら、大切なところに線を引いていきます。

タブレットだと画面操作でき、指での書き込みができるので、ノートPCよりも簡単です。生徒も「同じ画面なのでわかりやすい」「ちゃんと線を引きました」と、拡大して映す効果が出てきました。

指示や説明がiPadとプロジェクターだけでできるので、黒板には関連することやまとめなど、残していくものが中心になります。

隙間時間に読めるA4の通信を開始

授業で感じた「いい感じ」は、「授業におけるiPad活用通信」という形で先生方に定期的に配ることに。忙しい教員の目に留まりやすいように「紙媒体」です。隙間時間に読んでもらえるA4の通信に、周囲の先生方の反応も、少しずつですが変わってきました。

次は、生徒の活用事例を増やさないと…。

【第2回 生徒が使うタブレット〜グループで使うと「いい感じ」に続く】

【2015年4月6日】

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