特集:21世紀型学力とICT活用 オープンノートで思考を共有<立川市立上砂川小学校>

面積の求め方を考える

青木教諭
青木教諭は児童が書き込んだワークシートの内容を一覧表示した
オープンノートを使った授業風景
説明は、書き込んだ順番に再生しながら行った
オープンノートを使った授業風景2
三角形の面積の求め方を話し合いながらデジタルペンでまとめる

立川市立上砂川小学校(山中栄治校長・東京都)では平成26・27年度の立川市教育委員会研究協力校として、研究主題「自他の考えを大切にして学び合う児童の育成〜算数的活動の充実を通して」に取り組んでいる。11月20日に公開授業が開催され、5年3組では児童の思考過程を共有する際に、デジタルペンを活用する授業支援ツール「オープンノート(OpenNOTE)」を授業で活用した。授業者は青木信人教諭。

この日の授業は、三角形の面積の求め方について。青木教諭は児童に三角形のカードを配布した。児童は三角形を切ったり動かしたりしながら、その面積の求め方について「2種類」考える。

平行四辺形や四角形の面積の求め方を学習済みの児童は「三角形を2つ合わせると平行四辺形になる」ことから面積を求める方法を最初に思いつくグループが多いようだ。考えがまとまったグループはオープンノートに「求め方」を記載。その記載内容はリアルタイムに大型液晶テレビに表示されていく。他のグループの記載過程を見て新しい求め方を思いつく様子も見られた。

3つの求め方を比較

青木教諭は、グループの書き込みを一覧しながら、3種類の求め方をピックアップ。それぞれの児童がオープンノートに書き込んだ順番に再生しながら、児童に説明させていった。

既に児童はオープンノートの機能を理解しており、発表の様子から、考えを説明する際に、「書き込んだ順番で再生する」ことを想定して丁寧に書き込んでいた様子がわかる。聞き手も発表者の思考過程を積極的に理解しようとする姿勢が見られた。

青木教諭がデジタルペンを初めて見たのは、市内情報教育部会の研究会だ。普通のボールペンと同じ感覚で紙に書き込め、さらに書いた順番どおりに提示・再生できることから「思考過程を共有でき、児童の発表意欲も喚起できる」と考え、実際に授業で検証。当初は4〜5人にデジタルペン1本の割合で活用したが、1人ひとりの考えをより迅速に反映したいと考え、今回の授業では2、3人の小グループ編成で1本活用した。

青木教諭は「記述の内容はデータで全て保存されているため、次の授業で学習を深めていくこともできる」と語る。今後は、国語の読解や社会の資料の読み取り、道徳の意見交流等、他教科においてもデジタルペンを活用した児童の学習活動にも挑戦したい考えだ。

 

【2015年12月7日】

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