教育委員会対象セミナー福岡 ICT機器の整備計画/校務の情報化

教育改革で学力向上 全国平均を超えた―苅田町教育委員会学校教育課 久保ひろみ氏

電子黒板などICT環境の整備と校務情報化の推進

  苅田(かんだ)町教育委員会では、平成23年度より27年度にかけて「第二次教育改革」に着手しており、国際社会に生きる確かな学力を育むことを目標に、校務支援システムの導入とICT環境の整備を始めとする教育改革を進めている。

  34人学級編成は、苅田町雇用教員によって実現。小学校では、音楽と理科の専任指導員配置も継続して行う。

  効果的で特色ある教育環境の構築を目的した柱のひとつがICT環境の整備だ。

  電子黒板配備率は、現在小学校は53%、中学校では38%だが、デジタルテレビを提示機器として活用中だ。

  デジタル教科書については、小学校は国語、社会、算数、中学校では国語、社会、数学、理科、音楽、技術家庭などを配備済。国語のデジタル教科書導入後、国語の授業が「好き」の割合が8割から9割に増えた。同時に、書画カメラやデジタルカメラも活用しながら授業を進めている。

  校務支援システムについては、名簿管理、出欠管理、成績管理、時数・週案管理、保健管理等のシステムを導入。保健健康管理については保健室から入力できるようにした。

  導入時は研修をきめ細かく行うようにして、ICT活用に抵抗を持つ教員の不安の払しょくを図ることに注力した。

  まず、管理職や教務主任等には、システム導入前に集合研修会を3回実施することで、事前の周知を図った。また、導入説明会は各校に出向いて実施。夏季休業期間中には体験型の研修会を行った。児童生徒の基本データ入力も夏季休業中に行い、校務支援システム稼働の準備を進めた。さらにこれとは別に、保健管理システムの研修や通知表作成に係る操作研修も実施した。今年度は問合せが激減しており、これら研修の成果によってシステム活用が現場に浸透したことを実感している。

  校務支援システムにある程度慣れるまでには一定の時間が必要だが、その導入効果も大きい。

  例えば、教育現場の情報共有が進み、個人情報セキュリティの認識が高まる、学習情報の一元管理などで学習指導に活かしやすくなるなどのメリットだ。

  校務支援システムの導入・活用を始めとする教育改革に伴い、子どもたちの学力も小中学校ともに右肩上がりで、小学校では全国平均を超えている。今後も、子どもと向き合う時間をつくり出し、さらなる学力向上や教育改革に取り組んでいく。(講師=苅田町教育委員会学校教育課・久保ひろみ課長補佐)

【教育委員会対象セミナー・福岡:2014年1月31日】

【2014年3月3日】

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