狛江市教育委員会(東京都)では、今年度から全小学校6校(児童数3158人)にタブレット端末を各41台(児童用40台、教師用1台)と電子黒板各校3台を配備した。特別支援学級には、タブレット端末10台、電子黒板1台を配備。都内初の試みについて、教育委員会教育部指導室の伊藤聡統括指導主事と、高橋健志指導主事が講演した。(11月20〜22日開催・Eラーニングワールド2013フォーラムより)
狛江市では平成23年度のPC室更新に向け、PC室の稼働率を調査。満足できる稼働率とは言えなかったことから、「同様の整備内容で更新するのは一考すべき」と、リース期間を1年間延長。次の新しい整備に向けた検証を開始した。
狛江市教育21研究奨励校にICTの授業活用について検証を委託。様々な機器‐‐書画カメラ、ペンタブレット、短焦点プロジェクターや双方向授業が可能な携帯ゲーム機を導入、授業検証に取り組んだ。
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これらはいずれも好評で、平成24年度、書画カメラとペンタブレットを小学校は全普通教室分、中学校は各校9セット(教科数分)を配備。短焦点プロジェクターも各校2台配備。続けて携帯ゲーム機の配備を検討していた際に登場したのが、iPadであった。
携帯ゲーム機のメリットである「教師と児童生徒の双方向なやりとり」が可能であり、汎用性も期待できることから、市の情報化推進委員会で導入を検討。実際に学校で使ってみたところ、直感的に使え、起動時間も短時間な点、ビデオや写真を撮影してTVや電子黒板にすぐに投影することができるなどのメリットが多い。「市内の小学校でグループ学習で端末を使っている授業を見たところ、子どもたちが頭を寄せ合って話し合ったり、アドバイスし合ったりしていた。これまでの授業ではなかなか見られない光景に授業が大きく変わる可能性があると考えた」という。その結果、iPad及びiPadと連携できる電子黒板の導入を決定。5年間リース9100万円、年間1820万円の予算を確保した。iPadで使うアプリについては1台につき3000円を確保。無料を中心に個別学習教材も入っているが、導入の目的は「コミュニケーション能力を育むための言語活動の活性化」「言語活動の活性化による思考力・判断力・表現力の育成」だ。「子どもが変わると教師が変わり、教師が変わると授業が変わり、そして子どもが変わる。特別支援学級での活用は想像以上で、通級学級でもよく活用されている」。
今後、中学校でも生徒用端末とプロジェクター配備の検討を進めており、予算の確保が課題であると報告した。
【2013年12月2日】
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