音楽会の日の給食「シーフードピラフ、フェジョアーダ、音夕焼けゼリー」など |
この夏は、8月中旬に東日本が一時的な冷夏となり、雨も続きました。こんな年は、農作物の価格高騰が心配されますね。 すっかり夏休みの余韻も消えた頃、学校ではこれから秋の行事が目白押しとなります。7月に行事食のお話を取り上げましたが、今回は学校行事と関連させた給食について述べたいと思います。
学校行事と関連した給食のポイント
1.学校行事にはスローガンがある!
スローガンを念頭に置き児童・生徒と同じ目線で行事を受け止めることが大切です。
2.実施時期を検討する!
当日給食ができない場合は、前日実施やある程度の期間に関連させたものを実施することもできます。注意点として、行事当日実施の場合、給食時間が変則となる時もあるので、十分把握しそれに見合った献立にしましょう。
3.メッセージ性を持たせる!
コンセプトはなにか、行事に参加できない調理師さん方の気持ちなども交え、児童・生徒の行事への意欲を高める一助となるよう献立を考える必要があります。目に見えるメッセージとして、献立づくりの背景はおたよりや学級訪問等できちんと伝えましょう。具体的な実践例は以下の通り。
@運動関係の行事(運動会・体育祭・体育大会・マラソン大会等)の場合
運動系の行事は、次の4タイプが考えられます。
(1)行事の2週間前−「基礎体力作りの重要性」を伝えるため栄養バランス(PFCや3つの色の食べもの)の摂れた給食にしましょう
(2)練習の中盤期−給食時間に練習が入る場合もあるので、食べやすく水分を多く含むのどの通りの良い給食にすると喜ばれます。
(3)行事の1週間前−瞬発力が必要な種目・持久力が必要な種目などに応じた食事や、スタミナの付く食事を給食にて実施し、スポーツ栄養について紹介するのが良いでしょう。
(4)行事当日−お弁当給食の場合は、食べる場所を把握し手軽に食べられ、なおかつ元気が出るメニューにすることも。家庭から持参する時は、お弁当づくりのアドバイスを配布します。前日は、昔から伝わる「ゲン担ぎ」の食事などを実施してもよいでしょう。
調理士さんが腕を振るった音符のデコレーション |
A芸術系の行事(展覧会・学芸会・文化祭・音楽会等)の場合
展覧会・文化祭なら、各学年の展示作品や会場の飾りつけなどに関連させた食事を実施します。学芸会・音楽会等では、各学年の演目や幕間の出し物、全学年での合唱に関連した食事にすると一体感が生まれるかもしれませんね。
実際に献立を考える時は、学芸会の台本や音楽会の譜面などを借りて、題材と関連した食材を探すのに苦労しましたが、ちょっとシャレた遊び心も手伝い、「駄洒落だね」と子供たちに喜んでもらえる給食が実施できました。
とシャレた遊び心も手伝い、「駄洒落だね」と子供たちに喜んでもらえる給食が実施できました。
定番になった音楽会のデザートに、「音(ON)ゼリー」があります。チョコペンで、音符マークなどをあしらったもので、音楽の「音」と上にのせる「ON」をかけて名付けました。
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おもちゃのチャチャチャ「茶めし」、崖の上のポニョ「イワシの包み揚げ」、グリーンスリーブス「みどりのピラフ」、ドラゴンクエスト「豆のマリネ」、ON THE WING(飛んで)「飛び魚(ウオ)ッチエッグ」
大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、順天堂大学、武蔵野栄養専門学校講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。
【2017年09月18日号】
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