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学校給食は食育の教材【第31回】1年生のお祝い献立

"食べる人"を卒業する給食時間に

給食
ぴかぴかの1年生をもじった「ピカイチパフェ」

新年度がスタートしました。このコラムも4年目となりますが、今年度は原点に立ち返り、学校給食の献立を中心に食育活動を含めた実践等をお伝えしていきたいと思います。

新入生のお祝い献立に

四月の献立といえば、「たけのこごはん」です。新たけのこを使って作りますが、皮つきを給食室でゆでるところから始めます。ゆでたてを使うのでとてもおいしく仕上がり、児童・教職員に人気の献立です。酒・塩・しょうゆ・みりんで、薄めの味つけにします。具はたけのこだけにしたり、人参・油揚げ・しいたけを加えたりしました。30年ぐらい前は5月の献立でしたが、たけのこがすくすくと「竹」に成長するのにあやかり、1年生のお祝い献立とするようになりました。

当日、給食室前に皮つきたけのこを展示すると、児童がとても興味を持って観てくれたことを思い出します。デザートは「ピカいちパフェ」と名付けたコーンフレーク、生クリーム、いちごをカップに重ね入れる簡単なもので、市販のお菓子をあしらうのがポイントです。調理員さんのアイデアから生まれたもので、名前はピカピカの1年生をもじって付けました。

トレーニング給食で協力学ぶ

給食A
配膳する1年生の児童

4月の小学1年生の給食は他の学年より遅れてスタートすることが多く、昔は「トレーニング給食」という1週間かけて給食に慣れてもらうメニューを実施していました。

例えば、@牛乳のみ、Aサンドウィッチと牛乳(以下牛乳は毎日出る)、Bカレーライスとデザート、C焼きそばとサラダ、Dごはんとおかず、汁物、といった具合です。

給食は、「私食べる人」から卒業し、給食当番だけでなく準備や後片付けまでを、みんなが協力して行うという約束があります。食べることに慣れるということだけではなく、マナーなど給食時間の過ごし方についても学ぶ期間だったのです。

今ではこの期間を設けるゆとりがなく、4時間目から給食を始めるなどして対応を工夫する学校が多くなりました。1年生にとって学校は初めてのことばかり。慣れない中で覚えなくてはいけないことがたくさんあります。早く学校生活に慣れてもらおうと関係者の努力は続く1学期ですね。

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来月の献立何にしよう?

【5月】

八十八夜(お茶とわかめのお茶目ごはん、抹茶ゼリー)ナットウ月(納豆)、季節献立(ピースごはん・いちごビスキュイパン・じゃがいものニョッキスープ・たけのこストロガノフ)

【6月】

入梅(梅若ごはん・あじさいゼリー)、カミカミメニュー(スティックごぼう・切り干しサラダ・はたはたのから揚げ)、UFOの日(ドーナッツ・ひまわり餃子)、プール開き(トビウオバーグ)、和菓子の日(水ようかん)、季節の献立(枝豆入りひじき煮・キャベツの蒸し煮・カニとレタスのスープ)

大留光子=昭和53年より東京都内4区を経て平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師の他、学校給食Web「おkayu(www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。


【2017年4月24日号】

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