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学校給食は食育の教材【第3回】校内の体制づくり

夏休みを利用して職員と食育連携活動

学校給食夏休み期間中に、校内で食育の理解を深める方法を紹介します。タイトル脇の給食は筆者が七夕に提供したことのある「短冊トースト、天の川スープ、たなばたポンチ、牛乳」。短冊トーストは、にんじんペーストと小松菜マヨです。




「先生たちの料理教室」を実施 大人も健康な食生活の実践を
学校給食
児童向けでは「朝ごはんの大切を知る」をテーマに学習

子供達はこの夏休みに様々な体験をして、成長してくれることでしょう。先生たち大人もそうあって欲しいものですが、プール指導や補習、部活動、夏季施設引率、各種研修などに忙しいのも現実です。校内研修として体育の実技研修や理科の実験研修を開催している学校もありますが、「先生たちの料理教室」を開いたという方がいます。埼玉県の栄養教諭・猪瀬里美さんです。以前そのお話を伺ったことがあります。

当初は、給食の新メニュー開発として試作したものを先生方に食べてもらっていたそうですが、料理を習いたいと手伝ってくれる人が増えていったとか。猪瀬先生の人徳でしょう。先生方の食生活を職員室で目の当たりにして、児童生徒に正しい食生活を指導する立場の先生方から、健康な食生活実践をとの思いもあったそうです。共感する人も多いですよね。

養護・家庭科・保健体育の各教諭との連携を密に

忙しい中にも夏休みは心にゆとりがあり、いろいろな先生方とコミュニケーションをとりやすい時です。特に、養護・家庭科・保健体育教諭との連携は重要なので、食育への思いや考え方などを伝えたり、方向性を話しあったりしてもいいですね。給食指導に力を入れている、入れてないという先生にも、♪ありのままに〜気持ちを伝えてもいいでしょう。

また、給食指導研修に時間を使っても良いと思います。実際に配膳台を使って、食器の置き方や配り方を研修します。学級によってやり方が違うと、担任が替わり児童生徒が混乱するということがありますので、「決まり」があるのならばそれをきちんと伝えます。

私は春休みに実施しました。昼食前の30分ほどの研修でしたが、調理師さんにカレーライスを作ってもらい、食事中も給食指導談義に花が咲きました。意思統一も図れたと記憶しています。

子供達へは「健康教室」を実施 調理体験を実生活に結びつける

もちろん夏休み中でも、子供達へのアプローチも忘れてはいません。希望者を対象に「朝ごはんの大切さを知る」をテーマに、講話・調理実習・会食・振り返りゲーム(約4時間)の健康教室を実施しました。卵料理(茹でか目玉焼きを選択)と魚料理は自分の分を1人で作ることを基本とし、調理してもらいました。参加児童から自宅でも作っていると聞き、「1人で作る体験は生活に結びつく」ことを実感しています。

大留光子=昭和53年より荒川区他3区を経て、平成21年度に栄養教諭として江戸川区に勤務。平成25年3月退職。現在は、学校給食研究改善協会調理講師のほか、学校給食ウェブサイト「おkayu(http://www.okayu.biz/)」のディレクターを務める。


【2014年7月21日号】

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