普段、何気なく楽しんでいるアニメーションは、どのような仕組みで「画が動いて」いるのでしょうか?
シリーズ「マンガで探検!アニメーションのひみつ」(大月書店)の最終巻第3巻が7月24日に刊行されました。マンガのストーリーを楽しみながら、人間が絵を動かそうとしてきた歴史や動いて見える仕組みを学び、さらに手作り工作で理解を深めるシリーズです。
映像研究家の叶精二氏の呼びかけで実現したという本シリーズ。監修の大塚康生氏は、高畑勲・宮崎駿の師であり、数多くの名作作画監督で知られています。
マンガとコラムで楽しくわかりやすく
マンガの舞台となるのは、ヤブシタ博士のアニメーション研究所。
第@巻は、夏休みの自由研究のために、中学2年生の及川ナリコと、その弟のリョウが研究所を訪れるところから始まります。
「画を動かして表現したい」という人々の意欲は、今から約1万9000年〜1万4000年ほど前に描かれたとされる、スペインのアルタミラ洞窟から見てとれます。
人がものを「見る」目の仕組みと、絵が動いて見えることの関係、19世紀のはじめにイギリス・ロンドンで、画が動いて見えるおもちゃ「ソーマトロープ」が大流行したようすなど、マンガや、博士と子供たちの対話形式のコラムなどで、分かりやすく解説します。
視覚玩具づくりで理解を深める
各巻とも、後半は視覚玩具づくりにチャレンジ。
コピーして使う型紙と、アニメーターによる作り方・遊び方の図解、お手本として描かれた作品も収録しています。
マンガの進行に合わせて、@ではソーマトロープ、Aではフェナキスティスコープ、Bではゾートロープを実際に作り、自分で描いた絵を動かす体験ができます。
自分で作ることで、その仕組みを理解できます。そして何より、自分が描いた絵が実際に動いて見えるなんて、子供にとっても大人にとっても楽しいですよね。
日本のアニメーション映画誕生100年とされる今年、ナリコとリョウと一緒に、アニメーションの世界を探検してみてはいかがでしょう。
「マンガで探検! アニメーションのひみつ」(全3巻)
@ソーマトロープをつくろう
Aフェナキスティスコープをつくろう
Bゾートロープをつくろう
監修:大塚康生 編著:叶精二 漫画:田川聡一
参加アニメーター(各巻視覚玩具作品提供):わたなべさちよ、和田敏克、小田部羊一、大塚康生
読者対象 @A小学校中学年〜、おとなといっしょなら幼児〜、B小学校高学年〜、
A4判 フルカラー32頁 本体各2800円+税 大月書店
【2017年7月26日号】