夏休み前までに学校の指導の中でできるのは、まずは作品自体の楽しさに存分にふれ、「この本が好き」と思える一冊に出会えるようにすること、物語の単元などでは、ある程度文型にあてはめて書く活動を取り入れ「自分にも紹介文が書ける」と感じさせることです。
昨年、2年生で「スイミー」ほか1冊のレオ・レオニ作品を紹介し合いました。自分の好きな場面や主人公について書いて紹介し合ったり、登場人物と自分を比べたり重ねたりしながら読む活動を行いました。並行して学校司書と連携し、レオ・レオニ作品を40冊程度準備し、子供たちがそれぞれお気に入りの一冊を見つけました。
加えて保護者の方の理解が得られるよう、子供たちの様子を学級だよりで発信したりしました。夏休みに感想文に取り組みたい子供も多くいたので、どのように学習を進めてきたかを保護者に向けて詳しく説明したことは効果がありました。
同様に他作品に触れてみたり、登場人物と自分を重ねたりする時に、似た経験を思い出す作業を一緒にして欲しいとお願いしました。
子供が「この本の素敵なところを伝えたい!」「感想文を書いてみたい!」と思えるような、学習を展開することが大切です。感想文をきっかけに、自分の思いを伝えた時、周りにいる友達や大人が共感し、意見を交換し合えたなら、もっと素晴らしい活動になるのではないでしょうか。
【2016年6月20日号】