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みんなで使う学びの場“学校図書館”なるほど!Q&A(33)

Q.「朝の読書」の取組による児童・生徒への効果を教えて下さい。また学校図書館(司書教諭・学校司書など)はどのような支援ができますか。

回答者:田村たえま(山梨県上野原市立島田小学校 図書館主任)

A.長文を読みこなす基礎体力作り

一日の始め、しんとした教室でクラス全員がひたすら本を読む‐‐全国の学校に広まった朝読書の効果は、「子供が本好きになること」「読書の習慣化」です。読書を好む・好まないに関わらず全校が一斉に集中して本と向かい合うこの短時間の積み重ねが、「本を読む」ための基礎体力をつけます。本嫌いな子供も、友だちと一緒に読むことが支えとなり、次第に長い時間、長い文章を読みこなせる力がついていきます。子供時代に毎日読むことを習慣づけることは、生涯学習としての読書生活の基盤となるのではないでしょうか。

また、一日の始まりを静かに一斉読書で始めると、子供たちの心を落ち着かせることができ、集中して学習に向かうようになります。静かな学習環境を作り、学習へのアイドリングになるのも朝読書の効果の一つです。本を読むことで言語能力が伸び、学ぶことも楽しくなります。

朝読書をスムーズに進めるためには、時間中静かに読む環境を整える事が大切です。学校によって、読む本は自分で用意する、朝読書用に学級文庫を用意する、など違いはあると思いますが、全員が一定の時間に読むための本を確保しておく事が必要です。司書教諭らの支援として、公立図書館からの団体貸し出し、クラスの実態に即した学級文庫の選定や本の入れ替え、子供への選書のアドバイス、1年生への読み聞かせなども挙げられます。

 

【2015年8月17日号】

 

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