学校図書館は、「読書センター」とともに「学習情報センター」としても活用が求められています。つまり授業で調べたりするための場所として、いろいろな情報資料を利用するところなのです。
例えば、校外学習で鎌倉を調べたことがあります。図書で歴史を調べ、ガイドブックで花の名所を探し、新聞で今の町の様子を調べました。すると、タイワンリスの生息拡大で被害が出ているという新聞記事を見つけ、古い歴史だけでなくそこに住む人々の苦労を知ることができました。
同じように、人権学習でも基本的なことは図書で学びますが、それと同時に新聞記事も使うと、社会で実際に起こっている問題を実感することができます。
新聞縮刷版では、その紙面から過去の時代の息遣いを感じることができ、記事データベース検索では、キーワードで知りたい記事を絞り込むこともできます。学校図書館の資料の一つとして、新聞の切り抜きファイルを置いておくのも参考になります。
このように、新聞を使うと生きて動いている社会を実感できるので、図書資料だけでは得られない学習の広がりや深さが生まれます。学校図書館は、生涯学習へつながる大切な場所です。物語を読むだけでなく、新聞なども使い、問題点を見つけ自分で考えていく姿勢を養いたいものです。
【2013年12月2日号】