新聞の良さを生かして学校の授業等、教育で活用することをNIEと呼んでいますが、その特徴をまとめてみます。
新聞は年10日ほどの休刊日を除き、毎朝確実に配達され、早い地域では午前3時過ぎに家庭に届いています。テレビは映像を瞬時に放送できますが、夜中から早朝には放送されません。しかも放送されている番組の多くはバラエティー・ドラマ・スポーツ中継などで、ニュース番組はほとんどありません。大きな災害などはテレビも報道力を発揮しますが、日々のニュース報道において新聞は多くのことを伝えています。
新聞はいつでも、どこでも読めます。見出しの大きさ・位置・言葉を見れば、その記事の内容や重要度が分かり、30分程度の時間があれば朝刊1紙の概要を知ることができます。また、他の新聞と比較して読むことにより、事実をより良く知ることもできます。
新聞社では取材力をとても重視しており、ある全国紙の取材記者の総数は2500人といわれています。テレビ局の記者と比較すると、桁違いに多い数字です。
さらに、記事への確認作業も徹底しています。取材記者の書いた原稿をデスクが目を通し、整理部で確認、最後に校閲が校正を行うという流れです。それでも間違いがあった場合は、改めて訂正を紙面に掲載するのです。インターネットでは正誤・真偽の分からない情報が飛び交っていますが、新聞記事の信ぴょう性は丁寧な確認作業に裏付けられたものなのでしょう。
新聞は教科書を補う副教材のひとつです。教科書は各学年の発達段階に合わせて編集されるので、発行まで数年かかってしまいますが、その点新聞記事は新鮮です。中学校卒業程度の学力で理解できるよう作成されていますが、活用方法を工夫すれば小学1年生からでも十分活用できます。
勉強とは「少し無理をして…を行う」ことで、分からない言葉を辞書で調べたり、知っている部分から全体を推測することも大事です。少し難しいことを知ることで、今まで理解出来なかったことが分かるようにもなります。
基礎学習は日常的に、繰り返し行うことにより身につくものです。新聞は毎日配達され、辞書で調べられる用語や内容が幾度も登場しますので基礎を学ぶ上でとても有効です。さらに、新聞記事は現在(今日・昨日)実際に起きた事実であり、この学びは生きた学習となり、学びにとって大切な好奇心を培います。新聞を毎日の生活になくてはならないものとしていってほしいです。
【2017年11月27日号】
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