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学校行事は年間を通して儀式的行事、文化的行事、健康安全・体育的行事、旅行・集団宿泊的行事、勤労生産・奉仕的行事等様々な行事が年間計画に位置付けられ計画的に実施されています。また学習指導要領に示され、日本全国どこの学校でも行われています。
■極めて重要な教育活動
学校行事を成功に導くために大切な校内の信頼関係づくり |
行事によって子供たちの心身の発達や成果が期待されているため、学校教育では極めて重要な教育活動となっています。行事を進めるにあたっては学校全体や学年単位で、それぞれの行事の特性によって担当教員が決められ、その行事の計画や内容の検討、実施案が担当教員によって作成、提案され実施していくのが通常のようです。
特に文化祭や体育祭、修学旅行やその他宿泊を伴う行事は、担当教員にとっては準備に相当の時間と労力を伴います。更に担任を持つ教員にはその負担は大きく、新卒早々や経験の浅い教員には精神的なプレッシャーなど結構なものがのしかかってきます。
■時にはプレッシャーも
文化祭や体育祭の担当者の役割としては、まず全体的な計画を立てること。第二に内容の検討。第三に全校各教員への役割分担、各注意事項の確認、児童生徒への周知徹底事項の確認等があります。行事を行うには様々な準備検討計画がなされるのです。
また修学旅行その他宿泊を伴う行事などの担当者になると、前述した準備の他、現地視察を行い、諸々の確認事項を含め安全に行事が遂行されるように細かい配慮と計画を立てなければなりません。普段の業務の他に行うわけですから、担当教員にとってそのエネルギーは相当な身体的負担と同時に精神的にも大きなものになることは容易に想像できます。
■伴走者が心強い存在
かつて筆者が小学校から中学校教員に異動して、初めて学年会議で林間学校の担当者に指名された時、相当な負担と不安を感じたことを思い出します。その時に手を差し伸べてくれ、一緒にその仕事の遂行を手伝って下さった先輩が、なんと心強かったことか、今も鮮明に覚えています。
■欠かせない状況把握
このようなことから管理職が心がけることは、年間を通して行われている行事が、担当教員に大きな負担をかけながら準備遂行していることを具体的に把握しておくことだと言えるでしょう。それによって行事がつつがなく終了し、担当教員の任務が果たせることにつながるのです。
把握すべき具体的な内容の第一は、その行事の担当者は誰であるか。第二に担当学年はどの学年か。第三に具体的な計画と内容そして安全面はどうか。第四に担当者の仕事の進捗状況。第五に担当者一人ではなく複数の教員が係わっているか、担当者のクラス経営は順調かなどです。
■教員集団の信頼関係に
管理職が監視ではなく暖かく見守っているという姿勢で担当者とかかわることで、行事が安全にスムーズに進められ成功裏に終了していくものです。それらの積み重ねは管理職と教員集団の信頼関係の醸成につながり、しいては児童生徒への教育活動の充実と成果が培われていくのです。
【2017年10月16日号】
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