連載:親子で楽しむ日々の新聞活用 70回

夏休みは新聞について学ぼうー全国新聞教育研究協議会顧問・鈴木 伸男ー

受け身でなく能動的に活用し生活や学習に役立てる

「親子で楽しむ」とは、どういうことを言うのでしょうか。

 まず、楽しむとは@その物の持つ良さをしみじみと味わう。A自分の好きなことをする(して、生活に疲れた心身を休める)。<新明解国語辞典・第五版から引用>などの意味があります。

親子が一緒になって新聞活用を楽しむことは@の意味に近く、成就感・達成感が伴うことが多いです。Aは娯楽や趣味などが連想されます。

「親子で楽しむ新聞活用」というタイトルには、受け身ではなく、能動的に新聞を活用することで生活や学習に役立ててほしいという願いが込められているのです。

実際、「新聞を日々読む子供は学力が向上する」ということを私自身は実感しています。特に基礎の学習は、継続することと繰り返し行うことで効果が増しますが、事実を報道するために毎日配達される新聞は、まさにこのような狙いにぴったりな学びのツールであるともいえるでしょう。もちろん、気軽に楽しむことが一番ですが。

「新聞活用」は、新聞をじっくり読むことから始まります。まず、黙読しながら蛍光ペンで重要だと思う箇所を塗り(本文の25%前後が目安)ます。

次に周りの人に迷惑がかからないことを確認して音読します。図書館など公共の場を利用する場合は控えましょう。ここまでは、その日の中で一番気になった記事について行ってください。

最後に、蛍光ペンで塗った箇所をさらに短く(25文字前後)まとめます。このように進めると、「究極の要約」が出来上がります。ニュース記事以外では、コラムや社説などでも良いでしょう。全国紙のコラムは、毎日新聞では「余録」、読売新聞では「編集手帳」、朝日新聞では「天声人語」などのタイトルがついているもので、地方紙でも多く設けられています。

これらの活動を親子で一緒に行い、それぞれの意見・感想を出し合います。新聞で問題になっている出来事(事件・事故・催しなど)について、学校ではどのように扱われているのかを子供と共有し、親子で意見交換をしてみましょう。特に、会話が少なくなりがちな思春期の子供との話し合いのきっかけ作りとしては最適ですね。

横浜市内にある日本新聞博物館(ニュースパーク)や新聞社の見学など、夏休みは新聞について学べる親子向けのイベントが盛りだくさんです。ぜひ能動的に新聞を活用してみてください。

 

【2017年7月24日号】

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