連載:親子で楽しむ日々の新聞活用 65回

情報の真偽を見極めようー全国新聞教育研究協議会顧問・鈴木 伸男ー

出所やチェック機能の確かさが決め手 小さな文字で書かれた説明も読み取る

マス・メディアの「マス」とは大量・多数という意味で、「メディア」は、手段・媒体(仲立ち)のことを指します。

特に、新聞・出版・テレビなどの媒体のこととして使うことがほとんどです。メディアからは日々多くの情報が送られてきています。

これらと接する上で大切なことは情報の真偽、正誤などをしっかり見極める、目利きができることです。

情報が信頼のおけるものかどうかの決め手は、出所がしっかりとしている、チェック機能が確か、正誤の確認が容易などです。この意味からも紙ベースの新聞はずば抜けて信頼度が高いのです。しかし、それでも訂正記事を出すことがあります。

インターネットの情報は玉石混交で、まったく間違った記事も掲載されますので、正しいことを確認してから使うことが大事です。

さて、新聞の広告とテレビのコマーシャルについて実例を紹介します。

@数年前、「カニ、つめ放題5キロ1万円」という通信販売の大きな広告が全国紙に掲載されていました。間違いはどこでしょうか。

つめ放題というのは、ある大きさの袋に詰められるだけ詰められるということです。通販ですので自分で詰められませんし、5キロと決まっているのだからそれ以上入っている訳はありません。

A2カラットのダイヤの指輪が9万8000円という超格安の新聞広告では、重さだけを強調していました。

大きさのみを気にする人が多いですが、ダイヤ価値はカラー(色)・カット(面の切り方)・カラット(重さ)・クオリティー(品質、純粋性など)の4つのCで決まり、色が黄色味を帯びればかなり安くなり、カラットだけ見て格安とはいえません。

Bテレビの通販で、「これを見てください、このテレビの色は最高に良いでしょう」と説明し、販売品と同じ型のテレビに映った画面を拡大してみせました。

どこに気を付ければ良いのでしょうか。

この番組を見ているテレビの品質に大きく影響するからで、白黒テレビで見ていれば白黒にしか映りません。実際に、販売店で同じ型のテレビで確かめるか、他機種などと並べて映す必要があります。

広告というのは、自社製品の欠点を述べることはまずしませんので、見本や展示品などで十分にチェックすることが必要です。

また、新聞広告には小さな文字で書かれた説明もあり、購入者にとって大切な情報が含まれていますので、しっかりと読み取ることが大切です。

 

【2017年1月1日号】

関連記事

連載

<<健康・環境号一覧へ戻る