文字で書かれた記事は「読む」といいますが写真はふつう「見る」といいます。事件・事故・災害・活躍などのニュースでは、記事だけでは伝えられない感動・驚き(臨場感)・様子なども新聞写真は伝えており、それらを読み取ることも大切です。
東日本大震災の際には、春の選抜高校野球選手権大会の取材ヘリが給油のために仙台空港に降り立ったとき、たまたまあの津波に遭遇、危機一髪のところを夢中でシャッターを切ったそうです。この生々しい写真は世界に発信され、大きな衝撃を与えました。
ところで、新聞には多くの写真が載せられていますがこれらをいくつかの種類に分けてみます。
@事件・出来事・催し・活躍などに関連した人物写真。A死亡記事に添えられた写真。Bニュース記事に添えられた、事件・事故や出来事・活動のようすを伝える写真。Cニュース記事以外に添えられた、記事を理解するのに役立つ写真。D季節感・年中行事の様子を知らせる写真。
@では、事故で亡くなった人や容疑者の顔写真をよく目にします。スポーツ面の写真のほとんどはBです。
では、各季節の最後の月(夏なら8月、秋なら11月)に、次の季節の到来を知らせる(季節の先取り)写真を探してください。また、紅葉や初雪の記事がいつ頃載るか予想して確かめてみましょう。スポーツ面の動きのあるサッカーのゴールを決めた瞬間の写真などには、四コマまんがのように吹き出しにせりふを入れると面白いでしょう。
ニュース記事は5W1H(いつ・どこで・だれが・何をしたか・なぜ・どのように)で伝えますが、写真はこの6個の要素のうち「何をしたか」以外はよく分かりませんので、写真の下や脇に短い説明文を付けています。この短文のことをエトキ(絵解き・絵説き)またはキャプションと呼んでいます。
先月、8月31日のヤクルト―巨人戦の写真には〈三回裏巨人1死二、三塁、村田は2点適時打を放つ〉というエトキが付けられていました。このエトキがなければ、バットを振ったところとユニホームのマークとから巨人の選手がヒットを打ったことしか分からないでしょう。でも打った瞬間の写真は迫力があり、このような写真はスポーツ記事には欠かせません。
【2016年9月19日号】
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