文部科学省は「平成28年度学校基本調査」の速報値を公表。高等学校卒業者の大学進学率が上昇し、それに伴い大学の在学者が287万3066人となり、前年度を1万2856人上回った。大学以外の学校では、一部の学校種を除き、少子化の影響により全体的に減少傾向にある。また、教員全体に占める女性の割合が増加し、女性教員の割合は51・3%と前年度より0・7ポイント増加、女性管理職の割合も1・0増の25・9%で、いずれも過去最高の数値となった。
大学学部の女子学生44・5%を占める
大学全体の在学者数は前年度に引き続きの増加であり、特に大学学部の女子学生は114万1442人で前年度より1万4070人増と、過去最高を更新した。占める割合も過去最高の44・5%となった。
大学の在学者数は増加しているが、短期大学の学生は平成5年度の過去最高をピークに6年度から減少し続け、平成に入ってからは過去最低を更新。短大に関しては、この10年間減少し続けていることになる。
大学の教員に関しても、女性教員が増加しており、前年度より1303人増の4万3736人で、教員全体の23・7%を占め、4・2人に1人が女性教員という計算になる。
高校卒業者の55%大学・短大へ進学
高等学校卒業者の進路を見ると、28年3月の卒業者104万8641人のうち、57万6470人が大学・短期大学へ進学しており、卒業者の55%を占める。過年度卒を含むと56・8%となり、過去最高の割合だ。
大学卒の正規雇用前年比2・4%増
卒業者に占める就職者の割合も、大学卒業者は上昇している。高校卒業者が正規雇用17・6%で前年度と同率であるのに対し、大学学部卒業者全体では74・7%で、このうち正規雇用は71・3%と前年度の68・9%から2・4ポイント上昇している。
また、近年不登校や様々な多様な学びを選択する生徒がいることから、高等学校の通信制課程へ入学するニーズもある。高等学校本科の入学者(全日制、定時制)は110万9354人に対し、通信制課程への入学者は17万8296人で、学校数は240校(通信制高校について2面で特集)。
学校基本調査は昭和23年度より実施しているもので、幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校並びに市町村教育委員会を対象とした、今年5月1日現在の情報。
熊本地震の影響に配慮して提出期限を延期した、被害が甚大であった熊本県内の学校(大学、短期大学及び高等専門学校は速報値に反映済)は12月の確定値に反映される。
【2016年8月15日号】
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