学校給食・食育特集 和食・地場産物で育む心とからだ 

残さい少なく”おいしい”食育<全国養鱒振興協会>

日野市立仲田小に「ニジマス」提供

ニジマス博士
仲田小の子供たち
ニジマス博士の話を聞いた後(上)墨を使って絵を描く子供たち(下)

 和食給食が全国的に重視され魚食が注目を浴びる中、全国養u振興協会(小堀彰彦会長理事)は、毎年国産ニジマスを学校給食へ提供している。今年は10月2日に東京都日野市立仲田小学校(池田泰章校長)で、4年生の特別授業と全校への特別給食が行われた。

 3・4校時、ランチルームに集まった4年生には山梨県養殖漁業協同組合の芳賀稔常務理事(全国養u振興協会参事)が「ニジマス博士」として紹介される。芳賀氏からは養殖についての説明や、ニジマスが持つ栄養価が紹介された。

 ニジマスは低カロリーだがビタミンB、不飽和脂肪酸、DHAが豊富な魚。翌日に運動会を控えた児童に対して同校の小林久美子栄養教諭は「ビタミンBは疲れをとってくれるので、運動会の練習で疲れた体にぴったりですね」と話す。

 続いて、図工専科の鳥居絵子教諭の指導の下、水墨画用の青墨で2色の濃淡を用意し、和紙にニジマスを描く。描きあがった絵には、ニジマスへ対する感想を書き、味のある絵に仕上げていった。

 感想は、「ギラッと光るニジマスだ」「和でたのしむ」「ピンクのすじがとくちょうてき」「にじますたべてはりきって運動会」「しおやきにして食べたい」など味への期待、観察した感想など思い思いの気持ちが書かれていた。

ニジマスの給食

この日の給食(写真)は「まめとれんこんごはん」「ニジマスのフライ」「ボイルキャベツ」「すまし汁」「梨(日野産)」「牛乳」。フライにしたニジマスは肉厚で児童らも「おいしい」とほぼ完食していた。

 児童と一緒に給食を食べた芳賀氏は「ニジマスはおいしいと伝えられて良かった」と笑顔を見せる。

 なお、ニジマスの絵には自分の名前のハンコを作成し、押印。絵を完成させた後、11月6日、7日に行われる展覧会で披露される。

 この日の給食でニジマスの残さいは500グラム。1か月前の鮭フライよりも大幅に少なかったという。

 生育環境を学びイメージふくらむ
 小林久美子栄養教諭

 小林栄養教諭は「図工の鳥居教諭と、子供たちがニジマスを細かくみていたなと感心しました。毎日4年生は日記を書いていますが、この日はニジマスについて書いている子が多かったようです。最初にプレゼンテーションで養殖の様子を見せていただきましたが、ニジマスの姿をそこで見られたのが印象的だったようです。描くだけでなく、間接的ですが生育環境を見たことで、イメージが膨らんだのだと思います。"おいしい"授業になりました」と児童の成長を語ってくれた。

 

【2015年10月19日号】

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