今年で5年目を迎える「味覚の一週間」が、10月19日から1週間開催される。「地球にやさしく食べよう!」をテーマに、「味覚の授業」「味覚の食卓」「味覚のアトリエ」の3つのプロジェクトが行われ、「五感」を使って味わう大切さや楽しさを体験できる食育活動が提供される。
あべ俊子農林水産副大臣(前列中央)もかけつけ 、発起人らが5年目となる「味覚の一週間」に ついて紹介した |
「味覚の一週間」は、1990年にジャーナリストで料理評論家のジャン=リュック・プティルノー氏を中心に、フランスで始まった味覚の教育活動だ。現地では、90%の高い認知度がある。
プロジェクトの一つ「味覚の授業」は、料理人・パティシエ・生産者などが小学校を訪れ、子供たちに味の基本である「食べる楽しさ」を教える企画。165名の講師が全国138の小学校で、授業を行う予定だ(8月25日現在)。
パリで生まれ、現在は日本でフレンチ割烹を営むドミニク・コルビ氏は「昨年は気仙沼や南三陸で味覚の授業を行ったが、ひと口食べた瞬間に子供たちが笑顔になった。今年は岩手でも授業をするので今から楽しみ」と期待を寄せた。
10月20日には「味覚の授業」について効果検証の発表及びシンポジウムが行われ、福岡県糟屋郡の2校において、小学4年生から6年生までの児童を対象に、「味覚の授業」を実施した学校と実施しない学校との比較検証結果が報告される。
報告会場となる服部栄養専門学校の服部幸應理事長・校長は「3歳から8歳までに食べたものが刷り込まれていく。今は苦味と酸味の違いがわからない子供が32%もいる。根本的に我々が考えていかなければならないことだ」と述べる。
【2015年9月21日号】
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