表彰式と発表会が行われた |
「学校図書館の日」を記念して表彰式を開催
学校図書館の一層の発展を図るために業績を示した個人と団体を顕彰する「第45回学校図書館賞」および「第17回学校図書館出版賞」の表彰式が6月5日、都内で開催された。主催は日本学校図書館振興会と、(公社)全国学校図書館協議会(全国SLA)。表彰式は6月11日の「学校図書館の日」を記念して開催された。
「実践の部」で「学校図書館大賞」を受賞したのは、東京・東久留米市立第三小学校の前校長・稲垣達也氏による『学校図書館から教育を変える〜言語能力の向上をめざして〜』。
「運動の部」で「学校図書館賞」を受賞したのは、神奈川県学校図書館協議会司書教諭専門委員会による『すそ野を広げる活動を 神奈川県SLA司書教諭専門委員会14年の歩み』。
また「実践の部」の「学校図書館賞」は、広島市立彩が丘小学校の『「学びが変わる ふれあいがひろがる」〜学校図書館を活用した授業実践と読書指導を通して〜』。
「学校図書館出版賞」は、保育社の『医療・福祉の仕事見る知るシリーズ 10代の君の「知りたい」に答えます(全5巻)』(WILLこども知育研究所編著、メディカ出版企画制作)。医療・福祉の分野に精通した出版社ならではの企画制作による、充実した内容が高く評価された。
市教委や公共図書館も巻きこんだ改革
「学校図書館大賞」を個人として授賞した稲垣氏は、当時の在任校で学校図書館改革を実施。この活動が市の教育委員会を動かし市内の学校への学校司書配置や蔵書のデータベース化などが進み、さらに公共図書館も参加する学校図書運営連絡協議会が設置され、「東久留米市学校図書館運営指針」が生まれた。このように市を巻き込んだ取組が評価されての授賞となった。
稲垣氏は以前から学校図書館における活動を積み重ねており、これまでの大島の中学校での実践、荒川区の学校図書館支援センターの立ち上げなども紹介された。
また神奈川県学校図書館協議会司書教諭専門委員会は、図書館学会や司書教諭アンケートの実施など長期間、多岐にわたる活動をし、県全体の学校図書館支援センターの代わりを果たしたことが評価された。
広島市彩が丘小学校では、読書活動の充実と図書館の環境整備、研究事業の実践などを通じて、子供たちの学力がつき、図書館が学習を土台から支えていることを感じているという。
全国SLAの森田盛行理事長は「今回の発表にみられる優れた事例について、ぜひ全国の学校図書館で情報共有できるようにしたい」と閉会のことばを述べている。
なお、今回「学校図書館賞」の論文の部、「学校図書館奨励賞」、酒井悌賞、岩崎徹太賞、小峰廣恵賞、村松金治賞と、「学校図書館出版賞 大賞」は該当なし。
【2015年6月15日号】
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