「第16回 図書館総合展」(主催:図書館総合展運営委員会)が11月2〜8日、パシフィコ横浜ほか横浜市内で開催された。90余りのフォーラムが実施されたほか、5〜7日開催された展示会では、出版社、図書館に関する最新のシステムや設備事例を紹介する企業や団体140社が出展。全国の幅広い分野から来場者があり、展示会来場総数は過去最高の3万1632人となった。
図書館関係者をはじめ、行政・教育委員会・博物館・企業など幅広い分野から来場した |
展示会場では、電子図書の図書館サービス開始が、実証実験も含めて複数社見られた(丸善/京セラ丸善システムインテグレーション、日本電子図書館サービス、メディアドゥ、想隆社)。また学校向けに図書館管理システム(ブレインテック、岡山情報処理センター)や、電子書籍、資料データベース、大学講座の映像資料など、図書館を軸にしたメディア展開が多数見られた。 主催者によるフォーラムでは「公共図書館の電子書籍サービスの新展開」「アクティブ・ラーニング最前線」「ICTを活かす学校図書館の新展開」といったテーマも。運営委員会では今後「教育と図書館の在り方」について議論を深めていく、としている。
「歴史的図書館用品展」 では木製のカードケースや貴重な書架などが並んだ |
フォーラムの第一部「戦後の図書館を支えた人々」は、竹内セ氏(図書館情報大学名誉教授)と、今まど子氏(中央大学名誉教授・日本図書館協会顧問)を講師に迎えた。
竹内氏は戦後、連合軍総司令部による図書館政策の際の、NDC(日本十進分類法)を採用するための攻防を解説。「学校図書館が開架・分類によって本を探せるようにし、さらに初めて本の貸し出しを行ったことから、分類法の普及や開架、本の貸し出しの普及に大きな影響をもたらした」と語った。
今氏は、図書館サービスの歴史として、日本におけるレファレンスサービスの発展などを紹介。
また、「歴史的図書館用品展」の特設ブースも展開。昭和初期に開発された「FM式鉄枠書架」や、書誌情報を手書きした目録カードなど、図書館の歴史を物語る展示が行われた。
【2014年11月17日号】