テーマ国であるマレーシアブース(上)では、同国の様々な出版物を手に取り、文化に触れた。(下) 大日本印刷では、電子書籍のリーダーを実際に試す。 |
国内最大規模の書籍の展示会「第21回 東京国際ブックフェア」が7月2日〜5日、都内で開催された(主催=東京国際ブックフェア実行委員会、リードエグジビションジャパン)。会場では4、5日の2日間、ヤングアダルト出版会(以下、YA出版会)の引率による、中高生の見学ツアーを実施。23の公立・私立の中学校と高校の生徒らが参加した。
YA出版会は「13歳からの読書」をキャッチフレーズに、ヤングアダルト(アメリカで13〜19才の世代を指す言葉)世代の読書環境作りを支援。
中高生は初めに今回のブックフェアのテーマ国である「マレーシア」のブースを訪れた。前面で展開されたのは、児童向け大ベストセラー漫画「カンポン・ボーイ(村の少年ラット)」。日本で新訳で発売される。生徒たちは実際の本を手にとり、説明を受けた。
電子書籍を展示した大日本印刷や凸版印刷、楽天、製本を手掛ける渋谷文泉閣、国内出版社、海外出展社のブースを見学。各社のスタッフから展示内容や自社の説明を受け、最新の出版事情を学んだ。
今回ツアーに初めて参加した淑徳巣鴨中学高等学校の図書館主任・渡辺聡教諭は「定期試験中にも関わらず、図書委員2名を含む11名が参加を希望した。電子図書などの新しいジャンルや、動く恐竜の模型が目を引くブース(講談社)などがあり、生徒からも予想以上に面白かった、という声があがった。来年もぜひ参加したい」と話す。
また、高校2年生の図書委員と文芸同好会の5名が参加した中村中学校・高等学校の中嶋政太教諭は「会場で図書館の本を買う課題を出したところ、生徒たちは事前にかなり調べていたようだ。仏像の図版や世界の宗教について、絵本など、33冊の本を購入してきた」と取り組みを語った。
【2014年7月21日号】