"中学生による読み聞かせ""子ども司書"など4事例―子どもの読書活動推進フォーラム

読書活動推進フォーラム
事例発表と対談が行われた

4月23日は「子ども読書の日」。これを記念して同日、平成26年度「子どもの読書活動推進フォーラム」(主催=文部科学省、国立青少年教育振興機構)が都内で開催され、文部科学大臣表彰の表彰式が行われた。

平成26年度の文部科学大臣表彰は、小学校76校・中学校25校・高等学校32校・特別支援学校8校の合計141校、図書館43館、団体51団体・個人4名の合計55団体(名)が選ばれた。

◆4つの事例を発表

また信州大学学術研究院教育学系教授の藤森裕治氏をコーディネーターに、事例発表が行われた。登壇したのは優秀実践校(図書館・団体)として表彰された、千葉県立千葉盲学校、京都府・向日市立西ノ岡中学校、秋田県・羽後町立図書館、和歌山県・日置おはなし会。

800人が支える学び

読書活動推進フォーラム
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各事例の展示も。
千葉盲学校(上)、西ノ岡中学校(下)

千葉盲学校では、弱視などの視覚障害が全体の7割を占めているため、子供達の見え方に合わせ、拡大図書や点字図書が必要となる。100人余りの子供達の書籍を、約800人のボランティアが拡大図書や点字図書にして、支えていると紹介した。

ビブリオバトルのコツは

西ノ岡中学校は、朝の読書や、各教科との連携、ビブリオバトル等で読書推進活動を行っている。ビブリオバトルを中学校で実施するために工夫した点を挙げた。1人のプレゼンテーション時間は4分(公式ルールは5分)、大人数で行うのは生徒には抵抗があるので5人の小グループで行う、机の並べ方を工夫する、読みたい本が決まったら、人差し指を出して「一斉のせ!」で本を指さすと盛り上がり、楽しくなる。

活動の広がりと継続

羽後町立図書館は、「子ども司書養成講座」や地域のコミュニティFM「エフエムゆーとぴあ」との連携など、幅広い活動内容を発表した。

日置おはなし会は、8名の母親たちによる読み聞かせのボランティアグループからスタートし、小学校の図書室の整備や、中学生が小さい子供達に読み聞かせができるよう、実践指導するまでの経緯を語った。活動が広がるポイントとして、「ボランティア養成講座」など公民館や学校からの働きかけで、一般の人にもチャンスとなるきっかけが大切、としている。

藤森氏は、この各校・団体の実践例をそれぞれ、(1)育てる読書(2)楽しむ読書(3)広がる読書(4)続ける読書、と挙げた。

【2014年6月16日号】

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