服部幸應・服部津貴子/監修 こどもくらぶ/編 ミネルヴァ書房 AB判 各40頁 本体各2,500円+税 |
「和食」を子どもたちに教える際、どこにポイントを置けば良いのか。ご飯と味噌汁、煮物、刺身、正月のおせち料理…等々。子どもたちが和食について総合的に学べる「和食のすべてがわかる本」が刊行された。調べ学習、給食の内容に関心を持つための導入教材など、様々な活用ができるシリーズだ。
日本の気候・風土・歴史の中で育まれてきた料理を和食と呼ぶ。和食の最大の長所は、数多くの食材をバランスよく組み合わせ、だしを使って調理する点。シリーズは身近な「一汁三菜」から世界の和食まで、4巻構成で学んでいく。
(1)一汁三菜とは ―和食と日本文化―
和食の調理法「五法」から食事作法にいたるまで、和食の基本を総合的に学ぶ。
(2)郷土料理を知ろう ―日本各地の和食―
お雑煮を導入に、地方色豊かな郷土料理を掲載。日本の食文化を知る。
(3)懐石料理を知ろう ―和食とおもてなし―
懐石料理も、その基礎は「一汁三菜」。食材を新鮮なまま扱う調理の工夫や、器の使い分け、季節感の演出など、和食のおもてなしのこころを紹介する。
(4)和食からWASHOKUへ―世界にひろがる和食―
現地の食材を駆使した世界各地のWASHOKUとは。
写真がふんだんに盛り込まれ、わかりやすい。各巻にはレシピも掲載。子どもが実際に調理でき、かつ本格的なものができるように考案されている。実践することでより深い理解が得られるはずだ。
昨年12月、「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録された。農林水産省は「(登録決定がゴールではなく)日本食文化への関心が継続的なものとなり、次世代に向けた保護・継承へと繋がるよう」努めたいとしている。これまで連綿と受け継がれてきた和食を、身近なものとして親しみながら、子どもたちに伝えていきたい。
【2014年3月17日号】