昨年12月8日、第8回「全国学校給食甲子園」の決勝大会が行われ、2266校の応募から地方予選を勝ち抜いた12校が出場し、東京都文京区立青柳小学校が優勝。学校栄養職員の松丸奨さん(写真左)と、調理員の大野雅代さん(写真右)が東京勢初の優勝旗を手にした。
「全国学校給食甲子園‐地場産物を活かした我が校の自慢料理」は、小・中学校の調理場、給食センターの栄養教諭または学校栄養職員と調理員がペアとなり、地元の食材を使用して、おいしさ、栄養価、調理技術、衛生管理等を片付けまで60分間で競うもの。
優勝した文京区立青柳小学校は、普段から江戸東京野菜と呼ばれる伝統野菜を学校給食に使用している。主食の「のらぼうめし」は、江戸時代に西多摩地方で作られ始め、凶作時に人々の命を救ったとされる"のらぼう菜"を使った。他にも、馬込三寸人参、千住ねぎ、金町小カブなど東京産にこだわった。
8回大会にして初の男性栄養士の受賞となった同校学校栄養職員の松丸奨さんは「野菜をたくさん食べてほしいという思いがこもった献立で、すべてに東京の歴史を感じられるようにしました」と話す。
審査副委員長で(公財)全国学校栄養士協議会会長の長島美保子氏は、「いずれのチームも特色があり、しかも食育に結びつけている。ただ、片付けの詰めが甘いところもあったので、その旨を今後周りの参加者に伝えてほしい。また、慣れた人が毎年がんばることも大事だが、裾野を広げ地域で一緒にがんばってほしい」と講評した。
主催者であるNPO法人21世紀構想研究会の馬場錬成理事長は、「和食が世界無形文化遺産となりましたが、学校給食も貢献しています。文部科学省では、次年度スーパー食育スクールを32か所で指定する予定ですが、きっとこの決勝大会に出場されたようなすばらしい給食施設から選ばれるのではないかと思っています。24名の皆さんありがとうございました」とあいさつ。
準優勝は、香川県高松市立国分寺北部小学校が受賞。その他特別賞に、牛乳・乳製品部門賞・協賛企業賞を8チームが受賞した。
60分の制限時間で片付けまでを終える |
江戸前つくねの宝袋など東京産に こだわった青柳小の献立 |
【2014年2月17日号】