「環境にやさしい農業を実現!〜昆虫 たちが笑顔を贈る〜」で優賞した成田 西陵高校地域生物研究部のメンバー |
全国農業協同組合中央会(JA全中)が全国の高校生から「農家を笑顔にするアイデア」を募集した「全国高校生 みんなDE笑顔プロジェクト」の決勝大会が11月24日に都内で開催され、千葉県立成田西陵高校「地域生物研究部」チームが優勝に輝いた。
全国から6校が決勝進出
この日決勝大会に参加したのは、全国からエントリーした115校160チームの中から、地区予選を勝ち抜いた6チーム。各チームが「農家を元気にする」ために自分たちが取り組んだ活動内容を発表した。
「水車による発電を農作業に活用する」「名産の山の芋の葉でグリーンカーテンを作る」など、大人が思いつかないような画期的なアイデアが次々と発表され、「発想力」「活動力」「成果」を基準に審査が行われた。
授業中のひとコマが研究成功の糸口に
優勝した成田西陵高校は、根本優也さん、伊藤彩さん、米田菜摘さんが、「環境にやさしい農業を実現!〜昆虫たちが笑顔を贈る〜」のプロジェクトテーマで発表。
殺虫剤に頼ることなく、畑の野菜を食い荒らすアブラムシを防除できないかと試行錯誤を重ね、アブラムシの天敵であるテントウムシに着目。羽を接着剤で固定した「飛べないテントウムシ」によりアブラムシの防除に成功した。部長の根本さんは「最初は瞬間接着剤を使ったところ、3日後には接着剤が取れてほとんどのテントウムシが逃げてしまいました。それが、授業のフラワーアレンジメントで使ったホットメルト接着剤で試してみたところ、羽を固定させることができたのです」と語る。
タヒチから研究を生かしたいとの声も
同校のプロジェクトに対してタヒチの農業省大臣から、バジルやミントの栽培にこの研究を取り入れたいという話が寄せられており、高校生のアイデアが世界へ羽ばたこうとしている。
また、準優勝は京都市立伏見工業高校「小水力発電で地域資源を活かす!」チームが受賞し、福島県立郡山北工業高校「北工Re笑顔」、兵庫県立篠山東雲高校「特産でeco&smile」、沖縄県立中部農林高校「OKURA」、徳島県立美馬商業高校「みまから!やって美馬商」の4チームには敢闘賞が贈られた。
【2013年12月2日号】