連載:親子で楽しむ日々の新聞活用 34回

新聞のわび状―訂正記事・おわび記事

最初の記事と比較して誤りの違いを考える

 みなさんは、次のような記事をみたことはありませんか。〈9月24日の「大きな声では言えないが…」で「世界最長の上越線・清水トンネル」とあるのは「世界有数の」の誤りでした。〉(10月1日・夕刊)、〈2日付「日本女子オープンゴルフ あす開幕」の記事で、森田理香子が「賞金女王争いでは一度も首位を譲っていない」とあるのは、誤りでした。4月28日終了の試合から4試合の間は佐伯三貴に続く2位でした。訂正します。〉(10月11日・朝刊)

  新聞名は伏せましたが2つとも全国紙で、本文の前に見出しではなく「訂正」と書かれていました。記事に間違いあった場合は、訂正記事を載せます。前者の訂正記事は、火曜日のコラムですので、1週間後の同じコラムの末尾に入れています。後者はスポーツ面のもので、訂正記事はやはりスポーツ面でした。

  また、どちらもその紙面の左下に目立たないように載せられています。後者は、掲載後10日以上経ってからの訂正ですので、読者の指摘で間違いを知ったと考えられます。

  このような訂正記事は、名前や数字、写真などに多くみられます。名前の場合は、同じ読みで同一職業の人がいた場合に、2人が入れ代わってしまうことがあります。民俗学者の柳田国男とノンフィクション作家の柳田邦男の2人は読みが同じなので、取り違えることがあります。

  訂正記事は、最初に載った記事と比べてみてください。大きなミス、関係者に多大な迷惑を掛けてしまう場合は「おわび記事」になり、「おわびして訂正します」などと文末にいれるのが普通です。

  10月11日のある全国紙の朝刊には、「本紙電子版で号外を誤掲載」という2段見出しの記事が載っていました。誤って「村上春樹氏ノーベル賞」の号外を掲載してしまったのでした。大きな行事等がある時には、結果を想定していくつかの予定稿を組みますが、パソコンの操作ミスで別のものを送信してしまうことがあります。

  今回は、記事の最後に、「ご迷惑をおかけしました。深くおわびし、再発防止を徹底します」とありました。記事そのものが間違いであり、おわびよりかなり重く「誤報道」といいます。
(全国新聞教育研究協議会顧問・鈴木伸男)

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【2013年10月21日号】

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