24の国・地域から参加 日本・神戸で表彰式開催―三菱アジア子ども絵日記フェスタ

異なる環境の仲間と交流

三菱アジア子ども絵日記フェスタ

24人の仲間で1つの作品を制作

 24の国・地域の子どもたちが参加する「2012‐2013三菱アジア子ども絵日記フェスタ」(主催:三菱広報委員会、アジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟、(公社)日本ユネスコ協会連盟)の各国・地域のグランプリ受賞者の表彰式が、8月1日に神戸の国際会議場で開催された。7万899点(うち日本4848点)の応募作品から、国・地域ごとに国際選考会で各国のグランプリ、三菱広報委員会賞などの主催者賞、優秀賞が決定。日本のグランプリは、沖縄県の小学6年生・上阪きらりさんが受賞した。

子どもの頃の交流で グローバル人材を育成

  同事業は、アジアの国と地域に暮らす6歳から12歳の子どもたちから「伝えたいな、私の生活」をテーマに5枚1組の絵日記を募集したもの。

  表彰式では各国・地域のグランプリ受賞者は民族衣装に身を包み、賞状楯やメダルを受け取った。日本のグランプリ受賞者・上阪さんは「2年前に転校してきた沖縄は初めて見るものばかりで、それを多くの人に知ってもらおうと絵日記にしました」と語る。

  三菱広報委員会の小島順彦会長は「表彰式で子どもたちが笑顔で話す姿を見ると、絵日記が文化交流につながっていると感じます。グローバル人材の育成が叫ばれる中、子どもの頃から他国の人とコミュニケーションを取るのは貴重な体験。異なった環境で育った人との触れ合いは、これからの日本人に求められている体験のひとつ」と、子どもたちの今後に期待を寄せる。

絵と文章を通じて 各国の問題を学ぶ

  大沼映夫選考委員長(洋画家・東京芸術大学名誉教授・文星芸術大学副学長)は「開催当初と比べると、どの国の作品も技術が向上してきました。絵日記からは、その国が抱える様々な問題が見えてきます。一生懸命に家の手伝いをする子どもの作品などは、日本の子どもに見てもらうことで、その国の現状を知ってもらいたい」と11期目の開催を振り返った。

  子どもたちは8月4日まで日本に滞在。2日には神戸市立神陵台小学校(浅岡康敏校長)を訪問し、児童と交流した。

  同校は国際色豊かな学校で、児童の約7%が中国籍。この日も日本語、英語、中国語のあいさつで受賞者を出迎え、茶道や折り紙を通じて、来日した子どもたちに日本の文化を紹介した。

  浅岡校長は「本校では、日本の子も中国の子も自分の国に誇りを持っています。自分の国に誇りを持つことは国際平和に向けた第一歩。今回の交流が、もっと多くの国のことを知りたいと思うきっかけになれば」と語る。

  神陵台小を後にした子どもたちは、様々なワークショップが行われている「北野工房のまち」を訪れ、体験を行った後、今回の交流のモニュメントとして、それぞれが描いた絵を一つにして共同作品を完成させた。

【2013年9月16日号】

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