「ニュージーランド牧草牛」注目の食材 赤みが多い“丘の魚”低脂肪で低カロリー

ニュージーランド牧草牛
広大な牧草地で育ち良質の牧草を食べ育つ

 日本の食料自給率は39%(平成23年度)で、我々が口にする多くの食べ物は輸入に頼っている。子どもたちが大好きな肉もその一つで、牛・豚・鶏肉は、輸入金額上位20品目に入る。成長期の子どもたちの「体をつくるもとになる食品」として、重要視されている肉だが、生活習慣病予防の観点からみると脂質が多すぎてもいけない。そこで近年注目されているのが、100%牧草だけで育成された「ニュージーランド牧草牛」だ。

 ニュージーランド(以下=NZ)は畜産立国であり、人口が約447万人のところに肉牛は374万頭いる。1991年に牛肉の輸入自由化が始まり、日本の牛肉市場の6割は輸入品。NZ産は6%で、オーストラリア、アメリカに次ぐ3位だ。

日本に流通する 牧草牛はNZ産が主

 日本には、NZから多くの牧草飼育牛が輸入されている。

 日本に流通する多くの牛肉は「穀物飼育牛」だが、NZ産は一貫して牧草を食べて育っている。牧草地には、季節ごとに高い栄養価のマメ科・イネ科の牧草を中心にハーブをミックスした種が蒔かれる。NZの牧草は良質のたんぱく質、ビタミン、カロチンなどが豊富。その牧草で育つ牛には、赤身が多いため低脂肪で低カロリー、低悪玉コレステロールであるという。

豊富な「うまみ成分」

ニュージーランド牧草牛
脂身の少ない肉身

 機能性医学を専門とする東京健康クリニックの斎藤糧三院長は、「牧草牛は丘の魚」と話す。牧草牛にはマグロやカツオなどと同様にうまみ成分であるイノシン酸とグルタミン酸が豊富。「うまみ」を重要視する日本人に馴染みやすい味だろう。

食事で摂取しにくい オメガ3脂肪酸も豊富

  さらに、NZ牧草牛には食べ物から摂りにくい「オメガ3脂肪酸」も多く、その含有量は穀物牛の3倍とも言われている。

  ビーフ アンド ラム ニュージーランドのジョン・ハンドルビー日本代表は、「Facebookで"いいね"を約1か月(6月13日時点)で1950以上クリックしていただき、消費者のみなさんが高い関心を寄せてくださっているようです」と話す。

  栄養とともに気になるのが安全性だが、NZでは第一次産業省の傘下にある食品安全庁が、国内及び輸入産業の食品管理を一元化している。また、農場から食卓までのトレーサビリティを義務化し、昨年7月からは無線ICタグを一頭ずつに付けて追跡する電子トレーサビリイティ・システムを開始。より安全に磨きをかけた。

【2013年7月15日号】

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