日本製粉(株)と元プロ陸上選手の為末大氏は、5月30日に東京都杉並区立桃井第一小学校(内田裕司校長)で「爲末大学食育学部」を開催。子どもたちに運動する楽しさや心のあり方を体験してもらい、保護者には成長期の子どもたちに必要な食事について伝えた。
夢を描いて 発信していく
こばた氏は理想的な食事を紹介 |
「夢は具体的に描いて」と話す為末氏(中央) |
為末氏は現役時代、世界で「議論」に参加することのできない悔しい思いに直面したことがあるという。そこで、日本人に欠けている「議論」する力や「物事の本質をつかむ力」を鍛える場として大人を対象にした「爲末大学」を開催している。
この食育学部は、それを生かしたもの。日本製粉の食育活動の一環として、今後、全国の約5校で実施する予定だ。
1時間目は、校庭でハードルに挑戦。2時間目は、事前に記入した「夢シート」を使って進められた。自分の夢を次々に発表する児童に対し、夢を達成するには何歳で何をして、何歳で夢を叶えるのか、その時に誰をどのように喜ばせるのか「夢の階段」を考える時間を設ける。
為末氏は「夢はぼんやり思うのではなく、具体的に描いて下さい。夢は広くていろんな夢の向こう側があります」と、失敗してもまた違う夢を持つこと、自分の言葉で発信していくことの大切さを説いた。
スタミナアップの鍵は「焚き火」
3時間目は管理栄養士・こばたてるみ氏が加わり、保護者対象に、「食育」の授業。こばた氏はスポーツ選手の栄養サポートを行っており、身体が食と直結することを目の当たりにしている。
それは為末氏も実感しており、特に陸上という個人競技では食が身体作りに直結している。為末氏は現役時代に、食事と睡眠を意識した生活を続けたという。
こばた氏は食育でよく使われる「こ食」について、「孤・個・呼・戸・庫・糊・枯・小・五・コ・超」の「こ食」を考えた。「この11の"こ食"を見て言えることは欠食、偏食、軟食ということです」と食の課題を指摘した。
子どもたちのスタミナアップの鍵を「焚き火」に例え、マッチ(火)はビタミンB1、薪は体脂肪、新聞紙は糖質、うちわはビタミンB2だとそれぞれの役割を話し、保護者らは熱心に聞き入った。
【2013年6月17日号】