昨年12月に東京都調布市で学校給食終了後に、アナフィラキシーショックの疑いにより児童が亡くなる事故が発生した。
これを受け文部科学省は、児童生徒の食物アレルギーの実態や食物アレルギーに対応した学校給食の体制等の取り組み状況について調査・分析するとともに、今後の学校給食における食物アレルギー対応に関する課題について検討を行い、対応の充実を図るため、「学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議」を設置。5月23日に第1回の会議が行われた。
委員は福岡女学院看護大学学長・西間三馨氏(座長)、国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長・海老澤元宏氏ら医師が3名と、教育委員会、管理職、栄養教諭、養護教諭が加わり計12名。
除去食の提供と緊急時の対応に問題
この日は調布市からの事例報告をもとに、各委員からの意見が述べられた。調布市の事故検証委員会では、直接的な原因と思われるものとして、除去食の提供(おかわり含む)方法と、緊急時の対応の2つに大きな問題があったと判断していると報告。
ガイドラインの読み込みが不十分
委員からは、市全体として情報が共有できていないことや、アレルギーに関する対応が学校任せになっていたこと、『学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン』をよく読み込んでいない・もっとわかりやすいものが必要、教育委員会として方針を出す必要がある、といった意見があがった。
様々な角度からの活発な意見に西間座長は、「家族も教育現場も医者も不安を強く感じており、どういう形にしたらよいのか指示をだしてくれという意見が強い」とまとめ、早急な対応が求められていることを共通認識した。
今年度の文科省の予算の中で、食物アレルギーの実態及び学校の取り組み状況の把握及びアレルギー疾患に関する調査が行われるが、本会議では調査内容の検討、分析及び結果を踏まえた再発防止策の検討がなされることになっている。
【2013年6月17日号】