年の瀬に思うこと―みなさんへのありがとうに変えて―【12月20日】
いよいよ今週末で2学期の終業式を迎え、子どもたちにとっては、楽しいことがいっぱい詰まった冬休みの到来です。
私は、ここ数年、ポンポン山山頂で初日の出を見ながら新年を迎えるようにしている。大晦日、紅白歌合戦が終わる頃、家族で年越しのセレモニーを済ませると、一人登山スタイルで自宅を出発。休憩と時間調整の後、6時過ぎに頂上に到着し、リュックに忍ばせたカップ酒を口に含みながら日の出を待ちます。
今年はすばらしい初日の出でした。行きは孤独で真っ暗で寒くて辛いのですが、昇りくる朝日に一年の計を願い、山頂で知り合った人の情けに触れ、たき火の暖かさに救われ、人生で何番目かのうまいカップラーメンをすする。そんな体験を積みたくて毎年登っています。途中の鐘楼では亡くなった友達を偲びながら一つ鐘を撞く。
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話は変わって、この地球上に1000度の熱でも溶けずに固まるものがひとつある。何かわかりますか。
答えは土。土は1000度で陶器に変わる。熱は物質の一態変化をもたらすわけですが、人の世にも熱が必要です。明治維新をもたらした土佐・長州・薩摩を中心とする方々も、みんなきっと熱かった。だから日本が溶けて変わったのだと思う。身勝手でクールな要領人より、愚直でいいから心の熱い生き方が素敵ですね。
今年4月七中に赴任し、先生方の熱き想いを垣間見てきた。本連載を決めたのも、七中の教育に責任ある態度で、子どもたちの教育に情熱を注ぐ熱き心を皆さん方の中に感じたからだと思います。1000度もいらんけど、熱い心は持ち続けたいですね。そして溶けずに固まりたい。ただし、批判を忘れた無条件の団結に走ることなく。
大過なく年の瀬を迎えられるのも皆さんのお陰と思います。ありがとうございました。それぞれ年末年始の過ごし方がありますが、有効に活用して十分な充電をしてください。私は、新年の初日の出に際し、七中生の健やかな成長を祈ろうと思います。(本連載は前田校長が04年より教職員に向けて発信した「校長室通信」をまとめた著書「学校経営の金言・迷言・独り言〜全てを生かす校長室通信」より抜粋/城南中=072・673・4491)
【2012年12月17日号】
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