JTBグループのJTB法人東京は、学校宿泊型の防災訓練プログラム「いのちの体験教室@学校」を首都圏の学校を対象に販売している。11月10日、11日には、神奈川県にある私立立花学園高等学校(込山英弥校長)で、生徒118名と教職員5名の計123名が参加した訓練が行われた。
体育館・食堂で 一晩を過ごす
危機管理協会のメンバーから非常時について講義 |
被災した三浦さん親子の話を聞く |
同プログラムは、災害発生により生徒や教職員が帰宅できなくなることを想定して行われる、1泊2日の学校宿泊型防災訓練プログラム。災害時用保存食や寝袋、簡易トイレなどの防災備蓄品を実際に使用しながら、学校の教室や体育館などで宿泊し、一晩を過ごす。同校は、体育館と食堂を宿泊場所とした。
参加者はまず、防災DVDを鑑賞した後、東日本大震災で被災した石巻の漁師、三浦政浩さんと中学生の息子・悟さんから、震災の様子を聞いた。生々しい体験談に、涙を流す生徒も多くいた。三浦さんの体験談は録画され、今後の命の体験教室で利用される予定だ。
震度6を想定した訓練
その後、首都直下型地震・震度6が発生したことを想定し、校庭に避難。そこに、運営協力団体・企業として(公社)危機管理協会のメンバーがトヨタ自動車(株)のエコカー、プリウスPHVで登場。
そこでは、同協会メンバーから非常時にプリウスに搭載されている蓄電池から電気をひき、暖房機などに利用できることなどの説明を受けた。
体験の最後に挑戦 危機管理主任4級
また、備蓄品の使用、災害時避難所でのコミュニティづくりの考え方などを実践方式で体験。学校という避難所を自主的に運営して行くにはどうすればよいかを考えた。
2日間の最後には、危機管理協会が認定する「危機管理主任4級」試験を実施し、緊急時の対処能力に対する理解を深めた。
同校の込山校長は「三浦さんの体験談をうかがっただけでも、この訓練を行った甲斐があると感じた。生徒は何かを感じてくれたはず。今回の訓練で、実際の被災時に生徒が主体的に動けるようになってくれれば」と今回の訓練の意義を語った。
JTB法人東京が提供する「いのちの体験教室」の費用は、1名4800円からで、うち100円が被災地支援のための費用として寄付される。
問合せ=03・5909・8299
【2012年12月17日号】