西尾市立西尾中・冨田学校栄養職員(右) |
12月2日、第7回「全国学校給食甲子園‐地場産物を活かした我が校の自慢料理」決勝大会が都内で開催され、過去最多2271校(給食センター含む)の応募から地方予選を勝ち抜いた12校が熱戦を繰り広げた。
調理中の衛生管理や調理技術、チームワークなどを審査委員がチェックし、その後見た目と食味審査を経て、愛知県西尾市立西尾中学校が、優勝に輝いた。抹茶の里「西尾市」ならではの献立が光っていた。
和歌山県和歌山市立名草小学校は、昨年に続く連覇を狙ったが、惜しくも準優勝にとどまった。
第7回「全国学校給食甲子園‐地場産物を活かした我が校の自慢料理」決勝大会が12月2日に開催され、決勝大会に臨んだ12チームから、西尾市立西尾中学校の学校栄養職員・冨田直美さん、調理員の三浦康子さんが優勝に輝いた。
制限時間内に手早く調理 |
同大会は、文科省の基準に準じていること、地場産物を使用し、その特色を活かした献立であること、食育の生きた教材として活用されていることなどがルール。60分の制限時間内に、調理から後片付けまでを行う。
調理過程、衛生管理は、学校給食衛生管理の基準に従うことも重要で、審査員の目が光る。自身も決勝大会への出場経験を持つ審査副委員長の長島美保子氏(全国学校栄養士協議会会長)は、「バージョンアップしていますね。衛生管理の意識もとても高まっています」と話す。
抹茶を生かした献立 地域の恵みに感謝を
優勝した西尾中がある愛知県西尾市は、全国生産量の約20%を占める日本一の抹茶の里。献立は、それを生かした「てん茶しらす飯」「西尾抹茶大福」のほか、生徒が考案したものをアレンジした「地元野菜の照り焼きつくね」など。
学校栄養職員の冨田さんは「帰ったら、西尾中の給食が全国で1位になったんだよと伝えたいです。そして地域の恵みを頂いていること、それが健康にもつながっているのだと教えていきます」と、農地が少ない学区域のため、生徒の食への興味関心をさらに高めたいと考える。
優賞した西尾中の献立 |
勝敗の鍵は練習とダシのとり方
表彰式で講評した淑徳大学看護栄養学部客員教授の田中延子氏は、「最終的には、何度も練習を重ねてきたチームが力を発揮できたのだと思います。また、"だし"でも勝敗に差がつきました。児童生徒が本当においしいと思うか、上手に教育に生かせるか、これで終わりとせずにさらに良い献立を作って、またこの場に戻ってきてください」と激励した。
「準優勝」は、昨年優勝した和歌山市立名草小学校、「女子栄養大学特別賞」は、岩手大学教育学部附属特別支援学校、主催者である「特定非営利活動法人21世紀構想研究会特別賞」は、宇都宮市立田原中学校が受賞。
【2012年12月17日号】