昨年の7月に(本連載は2004年に発行された校長室通信)文科省がまとめた調査によると、2学期制などの3学期制以外の学期区分を採用している公立学校数は、小学校525校、中学校312校の計837校であるが、今後検討や試行など、その数は急速に増加しつつある。大阪府内においても東大阪市(一部試行)、茨木市(研究)において進められており、教委単位での制度的な整備も進んでいるのが現状で、教育改革のうねりとともに全国的に広がってきている。
高槻市では、平成19年度より市内全幼・小・中において学校園2学期制を導入することが決定。では、なぜ2学期制なのか。正式には校長会で説明される予定であるが、少ない資料の中、情報提供していきます。
■2学期制の主な意義
○基礎基本の充実と学力の向上(授業時数の確保。子どもの良さや可能性、進歩の状況や学習の到達度を、より長いスパンで評価)
○ゆとりを生かした充実した指導
○教育活動全般の見直し・改善
■学期の期間
1学期は4月1日から10月の第2月曜日まで、2学期は10月の第2月曜の翌日から翌年の3月31日まで。学期の切り替えが10月になるため、秋季休業日を新設。
■授業への影響
年間の授業日数や休業日は変わりませんが、授業時数の一層の確保が可能。始業式・終業式が1回ずつ減り、定期テストの回数も通知票の回数も減ります。単に減らすだけでは、地域・保護者の納得は得られず、不安や不信がつのるでしょう。学期のスパンが増すことによって、一層充実した指導や評価が可能になりますが、その分指導や評価にはきめ細やかな配慮と工夫が必要になるでしょう。
■評価・評定はどう変わるか
学期が長いということは、一人ひとりの子どもの様子や変化をより具体的に評価できるという利点があります。
(「学校経営の金言・迷言・独り言〜全てを生かす校長室通信」より抜粋。『2学期制』についての詳細を前田校長は、これ以降04年11月いっぱいまで校長室通信で発信し、基礎的情報から教職員の疑問までを網羅/城南中=072・673・4491)
【2012年10月22日号】
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