震災時の対応を紹介 学校給食調理場の役割 ―フードシステムソリューション

F‐SYSに3万1400人来場

フードシステムソリューション

震災対策コーナーの実演

 「食」に関わるソリューション型複合展示会「フードシステムソリューション2012」(F‐SYS)が、9月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催され、学校給食関係者など3万1402人が来場。学校給食向け厨房機器をはじめ、学校給食用食器、衛生対策製品など最新の製品やシステムが展示され、今後の学校給食に役立つ情報を各自が持ち帰った。

 学校給食特別展示は「今、学校給食にできること〜安全・安心の提供と震災時の対応〜」をテーマに、「給食調理場の震災対策コーナー」を設置。ガス、電気、蒸気の3種類の大釜を使った大量炊飯の実演では、白飯、赤飯の炊飯とおにぎり形成、味噌汁づくりが行われ、おにぎりと味噌汁が来場者に提供された。

  阪神・淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災と未曾有の大震災時に重要となったのは、生命をつなぐ「食事」。とりわけ、日頃食べなれている温かいご飯とみそ汁は、日本人の心を和らげる。

  来場者は、試食を通して全国約1万5000の学校給食調理場ができる支援の在り方について、考える機会となった。

【ソリューションセミナー】伝えていきたい 日本の食文化―服部幸應氏

フードシステムソリューション

セミナーのトップを飾る
服部氏

  また、ソリューションセミナーも多数開催。初日の19日には、服部栄養専門学校理事長・校長の服部幸應氏が「伝えていきたい日本の食文化」について講演し、セミナーのトップを飾った。

  服部氏は、知育、体育、徳育の基本は「食育」になるだろう、と政府に長年食育基本法を提案してきた。それが実を結び施行された食育基本法は、多くの日本国民の知るところとなっている。

  食についての取り組みは、世界各地で行われ始めているが、服部氏によると1960年代頃の北欧が始まり。その後、アメリカ、ヨーロッパ各地に広がり、日本も健康への取り組みとして食を考え始めた。その後韓国、台湾、中国、インドへとその意識は広がっている。

  服部氏は今後の学校給食に対して、「日本に続いて食への取り組みを始めている韓国は、学校給食の費用を100%国が払っています。日本もそういう動きになればというきっかけを作っていきたいと思っています」と考えている。

  また、食育の3本柱の一つである家庭での団欒については、3歳から8歳の間が大切と提言。「マナーを覚える6年間」と述べるように、小脳が完成するまでのこの時期に、食卓を通じて子どもをしつけていくことが重要となる。「食育基本法は食卓基本法です。人間づくりの根本は食育なのです」と述べた。

  次回の「フードソリューションシステム2013」は、2013年9月25日から27日まで、東京ビッグサイトで開催される予定。(F‐SYSソリューションセミナーの詳細は11月19日号で掲載予定)

【2012年10月22日号】

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