学校図書館をキーにした教育活動の充実 NEEでセミナー

学校図書館

江戸川区、荒川区、横浜市の優れた
取り組みを紹介

 6月7日から9日まで都内で開催された「NEW EDUCATION EXPO2012」では、最新の教材やICT機器が展示されたほか、会期中は最新の教育動向を伝えるセミナーが行われた。

  8日の「学校図書館をキーにした教育活動の充実〜読書活動の推進、言語活動の充実、学力向上へ〜」をテーマとしたセミナーでは、昭和女子大学大学院の大串夏身教授がコーディネータを務め、江戸川区、荒川区、横浜市の学校図書館の取り組みが紹介された。

H24年度から江戸川区に35時間の"読書科"

  東京都江戸川区立小松川小学校の清澤好美校長先生(元・江戸川区教育委員会副参事)は学校全体を「本のまち」にする取り組みを進めている。

  「ちょっとした空きスペースがあれば、子どもが自由に本を手に取れる読書センターにするなど、学校図書館以外でも本を読める場所を増やしました。そこで本を手に取ったことがきっかけで、学校図書館に足を運んでもらうことがねらいです」。

  同区は、今年度から3年間をかけて小中学校に年間35時間の「読書科」を新設。小松川小の「読書科」は、教科・領域以外(余剰の時間)に 年間25時間と昼読書で実施予定。朝読書は児童の足並みが揃わないことがあるため、毎日5校時前の15分を「昼読書」の時間とした。

はまっ子読書ノート 市内全小学校へ配布

  横浜市教育委員会は平成23年3月に第2次「横浜市子ども読書活動推進計画」を策定し、読書習慣の定着化と読書意欲の向上に取り組んでいる。

  また、同計画では「小・中学校における読書活動の推進」に向けて、「はまっ子読書ノート」の日常的な有効活用を勧めている。これは、読書活動を充実させるための手引きとして、市内全校の小学生に配布されている。

  「はまっ子読書ノート」の目的について、横浜市教育委員会東部学校教育事務所の堀部尚久主任指導主事は、「読んでほしい200冊の図書リストを載せ、小学校6年間の読書記録が残せるようになっています。読書経験と履歴を蓄積することで読書計画の見直しにつながることが期待されます」と語った。

 

【2012年6月18日号】

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