学校図書館の振興に寄与した個人・団体を表彰「学校図書館賞」「学校図書館出版賞」

小・中学校をサポートする 荒川区の取り組みを発表

  日本学校図書館振興会、(公社)学校図書館協議会の主催による「第42回 学校図書館賞」および「第14回 学校図書館出版賞」の表彰式が、6月8日に都内で開催された。「学校図書館賞」は、学校図書館の振興に著しい業績を示した個人および団体に賞を贈り顕彰するもの。

学校図書館

荒川区は、学校図書館を活用した学びを支援
するため、様々な資料を用意している

 今回《実践の部》で「学校図書館賞」を受賞したのは、「『生きる力』を育成する学校図書館づくり〜荒川区学校図書館支援室の取り組み〜」の荒川区教育委員会学校図書館支援室。同区は村松金治賞も重受賞となった。

  また「学校図書館賞奨励賞」として、「鳴門教育大学附属図書館児童図書室における地域教育支援(子育て支援)の実践的活動」の、鳴門教育大学付属図書館児童図書室が受賞した。

  《論文の部》では、「学校図書館が主体となって進める学習指導に関する研究‐児童の情報リテラシーを育成するための手立ての検証を通して‐」の杉本洋氏(山梨県笛吹市立一宮西小学校教諭)が、「学校図書館賞奨励賞」を受賞した。なお今回、学校図書館大賞、酒井悌賞、岩崎徹太賞、小峰廣恵賞は該当なし。

  「学校図書館出版賞」は、学校向き図書の優良な出版企画に対して出版社を顕彰し、学校向き図書の出版の振興を図るもので、今回は「3・11が教えてくれた防災の本」(全4巻)を出版したかもがわ出版、「世界の国々」(全10巻)を出版した帝国書院が受賞した。なお、学校図書館出版賞大賞は該当なし。

  表彰式後、受賞した荒川区教育委員会学校図書館支援室が発表を行った。教育委員会による地域全体としての取り組みが評価された同区。平成18年度に同区内の全小・中学校にて、学校図書館図書標準100%を達成し、その後学校図書館指導員(学校司書)の配置が進められ、現在全小・中学校に常駐している。

  平成21年度には荒川区学校図書館支援事業を開始し、学校図書館支援室を開設。学校司書に向けた研修会を充実させ、スキルアップと学校司書同士のコミュニケーションに力を入れている。

  また、各学校の図書館担当者は年間計画書を作成することで、各学校の意識も高めていった。同支援室では、「あらかわモデルプラン」の冊子などによって指導案作成の支援も行うほか、支援室から担当者が各学校を年3回訪問し「協働授業」の提案等もしている。各種コンクールの実施などを行い、着実に成果をあげている。

 

【2012年6月18日号】

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