4割の中学生に瞼裂斑の兆候 ―ジョンソン・エンド・ジョンソン調査

 眼の健康を考えた使い捨てコンタクトレンズを提供するジョンソン・エンド・ジョンソン(株)ビジョンケアカンパニーは、紫外線による眼のダメージが様々な眼疾患を引き起こす可能性があるとして、金沢医科大学眼科学教授の佐々木洋氏と啓発活動を展開。今回、小中学生及びオフィスワーカーを対象に紫外線が眼に与えるダメージの実態調査を実施した。

  同大学では、小児期の紫外線被曝と眼疾患の関係について、小学生493名、中学生312名を対象に検診を実施し、「瞼裂斑」の有所見率を調査した。紫外線の影響により、白目の一部がシミのように黄色く盛り上がる「瞼裂斑」は、失明につながる疾患ではないが、進行すると充血やドライアイの原因にもなり、白内障発症のリスクが高いことも最近の研究で明らかになった。

  肉眼では捉えることのできない潜在的な「瞼裂斑」の初期変化を、特殊な光を当てて撮影する写真診断を行った結果、中学生では全体の36・2%に初期変化が認められ、1年生25・9%、2年生41・4%、3年性41・9%と、学年が上がるほど高くなっている。

屋外の部活動が長いと影響大
UVカットのメガネやCLが有効

  「瞼裂斑」の初期変化が見られた生徒は、平均屋外活動時間が長く、眼部の紫外線総被曝量も多い。部活動別では野球部が61・5%で最も多く、次いでソフトボール部54・5%、サッカー部42・9%と、屋外で長時間スポーツを行う生徒に多い。

  メガネの使用状況で比較すると、メガネを常用している生徒は12・1%で、「瞼裂斑」の初期変化を発症している割合が低く、メガネが「瞼裂斑」の予防に有効であることが伺える。最近のメガネはUVカット加工されたものが多く、紫外線防御アイテムとなる。

  スポーツを行う場合、メガネの使用が難しいことも多く、その場合はUVカットコンタクトレンズの使用が考えられる。オフィスワーカーを対象とした診断では、UVカットコンタクトレンズが覆う部分に「瞼裂斑」ができていなかったことから、眼の紫外線対策として、一定の役割が実証された。

 

【2012年5月21日号】

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