来春で退職となる大阪府高槻市立城南中学校の前田勉校長(高槻市中学校長会会長)が、校長1年目から教職員に毎週発信し続けた「校長室通信」は、教職員間のコミュニケーションツールとなった。課題校を蘇らせた1年目の通信を連載中。
着眼大局 着手小局 【5月24日】
各学年で宿泊行事が続きます。引率の先生方大変ご苦労様です。生徒の安全については十分留意いただき、思い出多い成果のある合宿にしてください。
例年のことですが、生徒を引率しての宿泊行事中の飲酒は、たとえその日の業務が終了し、自室に戻ったとしても禁止です。長時間の勤務で疲れ、一杯やりたい気持ちも分かりますが、教育の責任として我慢しましょう。無事終わったら、ごくろうさん会でもしましょうか。
さて、校長として約2か月、七中の現状や、課題がそれなりに見えてきています。課題解決のためのビジョンも、先生方との会話の中からヒントを得て、構築しつつあります。
私の好きな言葉に「着眼大局、着手小局」があります。着眼点は大局を見つつ、着手することは身の回りの些末で小さなことから確実にという考え方です。自分の拙い教育実践においてもこのやり方で一定の成果を得てきました。今後もこの考え方を大切にしていきます。
また、七中の学校経営の重点の一つには「授業の充実」ということを挙げようと思います。その理由は二つあります。一つは、授業の充実こそ学校を活性化させる起爆剤になるものだと考えるからです。授業は学校教育の中で大きな位置を占めています。授業の充実は学校教育の充実であり、今求められている特色ある学校づくりにもつながるからです。二つ目は、授業の充実を考えることで、全職員が自らの教師としての資質を高めることができるからです。生徒が学びあい、高めあう授業ということが論議され、その質を問うことで教師としての資質の高まりが期待できるからです。
授業の充実については、話題提供のつもりで今後も連載をつづけます。また、私も一緒に学びたいので時々授業にお邪魔しますがよろしくお願いします。
「学校経営の金言・迷言・独り言〜全てを生かす校長室通信」より抜粋/城南中=072・673・4491
【2012年5月21日号】
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