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参加者の声(抜粋・敬称略)―本島・周辺離島(渡嘉敷島・座間味島)

「よりよい社会を作る人間を育てるきっかけづくりに」 

 集団自決から生き延びた吉川さんの母上は「命ある限り生きなくてはだめだ。死ぬのはいつでもできる」とその場を逃げる決断をした。人間として一番大切なことは何かを考える人が、あの状況下にいたことに感銘を受けた。教員として、こうした過去の事実を生徒たちに伝え、二度と起こらないように努力する責任があると思った。また、リーフトレイルでは、教わらなければ目にもとまらないような様々な生き物を見た。「知る」ことによって初めて意識し、考え始めるものだ。修学旅行を通じ、沖縄の歴史や自然・文化を知ることによって、現代の環境・社会問題を考え、よりよい社会を作る人間を育てるきっかけづくりをしたい。(東京都立松が谷高等学校/ロドリゲス美香)

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  「沖縄の自然を学ぶ絶好の機会に」 生きいきとした自然を学ぶ絶好の機会になった。それは、透明度の高い海と白い砂と、海岸近くに珊瑚礁が群生する好条件の賜物だった。潜水艦タイプの遊覧船は珊瑚礁にすむ魚が深度に応じて成育するのが手に取るように分かる。海底に張られた網でモズクの養殖を行い、自然と共生する渡嘉敷の島民の努力が垣間見える。極めつけは、渡嘉敷島への航海中に見たくじらのジャンプ。哺乳類のつながりを感じた体験となった。わざわざ海外へ行かなくても、沖縄の海で十分自然を体験できる証拠だと思う。また、那覇市内で体験した徒歩での散策ツアーは、ただ単に歴史を探訪するだけでなく、地元の人の息吹を感じることのできる楽しい散策コースだった。(三重県立四日市商業高等学校/弓矢伸一)

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「参加前・後で良いギャップが生まれる“リーフトレイル”」

  沖縄では、いろいろな場所でマリンスポーツや文化的な体験ができる。しかし、渡嘉敷では町ぐるみで体験や宿泊に取り組んでおり、体験時だけでなく各宿で生徒の関わりに工夫するなど、現地の人とのふれあいや語らう時間が多く、生徒たちの心に残るものも得るものも大きいのではないかと思う。また、個人的には、水のひいたビーチを歩きながら生き物を観察したり触れたりし、ガイドからサンゴや漂流物の話を聞いたりする「リーフトレイル」が非常に良かった。生徒たちにとっても参加前と参加後で良い意味でギャップが一番大きい体験だと思う。(人間環境大学岡崎学園高等学校/森克人)

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  「民宿でアットホームなふれあい」 マリン体験を行うビーチは各宿から歩いて約5分と、移動や集合には大変便利が良い。食事は各宿オリジナルメニューが用意され、夕食の後は民宿のオーナーたちとネイチャークラフトやお菓子作りをするなど、アットホームなふれあいの時間を持てる。沖縄の修学旅行を考える時、沖縄本島では(1)歴史と文化(2)戦争と平和(3)自然と環境(4)班別自主研修などをテーマとした修学旅行が考えられるが、1日ないし2日離島に渡り、民宿・ペンションに分宿し、いろいろな体験活動や島の人たちとの交流を含めた修学旅行も面白いと思う。(岡山県立和気閑谷高等学校/岡千代也)

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「触れて・感じて・学べる島」

  ガジュマル、アダン、マングローブなど植物相が亜熱帯特有の慶良間諸島。ラムサール条約にも登録された世界のトップレベルのサンゴ礁。1月から3月まで楽しめる、ザトウクジラのパフォーマンス。日本であり、日本でない「不思議な空間 座間味島」。初めて訪問した私を虜にしたのは当然かもしれない。まさに「触れて、感じて、学べる島 座間味島」、絶対にもう一度来ると誰でも言うだろう。集落を散策すると島人たちが行き会うたびに優しい言葉と満面の笑顔を見せてくれる。こんな心が休まる瞬間を本校の生徒にも味わせてあげたい。今の東京では味わえない、昔の日本の良さが今なお残っていた。(文京学院大学女子高等学校/入江祥史)

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「心が育つ修学旅行になる」

  民宿での夕食を通して、沖縄の食材や食生活について知ることができる。民宿によってメニューが異なるというところも、民宿の方が考えて作ってくれたという温かさが感じられ、魅力的だ。また、慶留間島の「高良家」は事前学習しておくと実物を見た時の感動や興味が違ってくる。他にもどんな重要文化財があるのか調べておくことでより充実した時間を過ごすことができるほか、家の強度や加工について学習しておけば、石垣を見た際に「気づき」を体験できる。より沖縄らしさを体感できると感じたし、何より心が育つ修学旅行になると感じた。(神戸市立駒ヶ林中学校/小林意)

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  「“人”との出会いある島」 阿嘉島ではサンゴの生態研究者、マリンスポーツ事業者、戦争経験者、様々な方から島の歴史と可能性を聞いた。ケラマジカ見学、美しいビーチなど、小さな島に内容がぎっしりだった。今まで、本島で平和学習に力点を置いた修学旅行を企画・実行し、それなりに満足のいく結果を残したと思うが、何かが足りないとすれば「人」だ。人と人との出会いを演出することで、もう一つのふるさとを作ってあげられるかもしれない。島の人々の人情や生き様にふれることで子どもたちの人生を左右するような経験となる可能性も十分あると思う。それに託するに十分値する人々に出会えた。(東京都立石神井高等学校/中園真由美)

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  「一体感が得られるホエールウォッチング」 1月から3月の修学旅行であればホエールウォッチングも良いだろう。クジラのアクションの一つ、息つぎのために浮上する際に見られる「ブロウ」をいち早く見つけようとしている際には、船上にいる人たちの一体感を感じ、見つけた時やテールをあげてダイブする様子を見て歓声があがるなど、わくわく感で盛り上がるアクティビティだった。また、沖縄に20数回訪れていても、国際通りと公設市場周辺しか歩いたことがなく、少人数で説明を受ける「那覇まちま〜い」は新鮮。国際通りでただ買物するだけではない学習の場が設定できるので、利用価値の高いツアーと感じた。(神奈川県立海老名高等学校/相川和俊)

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「慶良間の歴史と平和学習」

  島全体が修学旅行や観光など安全に実施するための協力を積極的に行っている。サンゴの保存など環境保全のためにダイビングポイントの取り決め事項があることや、オニヒトデ駆除などの話を伺い、実際にサンゴを見たりするなどの環境学習に発展させることもできる。また、米軍が沖縄本島に上陸したのは昭和20年4月1日であるが、その前に慶良間諸島を経ている。「昭和20年3月26日午前九時上陸」の碑、「平和の塔」があり、沖縄の「歴史と平和」学習の一つの資料となる。(東京都立向丘高等学校/高木しゅう)

 

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【2011年4月18日号】

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