■自治体の取り組みに感心
校外学習や体験学習を実施できる教育素材が豊富で、教育旅行を支援するシステムが行政を中心に整っており、自治体が力を入れて取り組んでいる。また、みなかみ町が順調に受入れを増やしてきた背景には熱心な紹介に加え、利用する学校まで出向き、懇切丁寧に打ち合わせをしようとする担当者の姿勢にあると感じた。
■様々な自然活動と豊富な食
個人的には草津温泉にスキーに来たことがあるくらいだったが、山登りやハイキング、川下りなど様々な活動ができることがわかった。また、果物生産に力を入れていることは、今まで知らなかった。りんご・ブルーベリー・もも狩りやとうもろこしなど食文化も豊かであった。
■よりよい教育旅行を創る姿勢に感銘
関係者の熱意や創造性に感銘を受けた。異業種で連携し、より良い教育旅行を創ろうというみなかみ町の取り組みが、何よりも印象深く、新しい発見の多い有意義な２日間であった。２〜３時間で行けるところにこんなに素晴らしい場所があるとは思わなかった。多くの人に伝えたい。
■十分な事前学習で効果的な学びに
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| そば打ち体験 |
場内ではガイドさんが丁寧に案内をしてくれた。なかでも操業の歴史、レンガを大小に組み合わせた珍しい造りと、継ぎ目なしの一本杉を妙義山から運んで作ったこと、工女の福利厚生が素晴らしく一等工女をめざし勤務していたという話が印象に残る。引率時には事前学習を十分に行うことが重要。既存の修学旅行や移動教室を転換させるためには、やはり世界遺産がカギ。
■地域のつながりを考えた十分な学習価値
ボランティアの方々による当時の詳細な解説は、その存在が世界的に貴重なことをしっかりと伝えてくれた。富岡が技術改良の拠点となり２０世紀初頭の世界の生糸市場における日本の役割を証するモデルとなったという、世界遺産選出の理由もよくわかる。特に輸出港となった横浜市とのつながりも強く、学習価値は十分にある。
■「ものつくり」を学ぶ生徒に適する
見学前にＤＶＤを視聴したが、事前にある程度歴史を知った上で見るとわかりやすいだろう。１４０年以上前に作られたものが今も残っていることが驚きだ。操糸場の見学時に四角形のボルトを初めてみた。現在のボルトは六角形で歴史を感じた。ものつくりに関わる学校、例えば工業高校の建築科、機械科などの生徒にとっても良い見学になる。
■大自然を満喫できるノルディックウォーク
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| こんにゃく作り体験 |
森の体験館では木工、藍染め体験、レザークラフト等の説明を受けた。季節によっては干し柿や味噌作りも体験できるという。また、大自然を満喫できるノルディックウォークはぜひ体験してみたい。ヴィラせせらぎの夕食のハーフバイキング方式は食べ盛りの生徒にとって嬉しいだろう。
■２時間強で深い緑に囲まれた大自然に
東京からバスで２時間強の近さでありながら、深い緑に囲まれ大自然の恵みを大いに浴びることができ、思わず深呼吸をしてしまう素敵な場所だ。体験館は手ごろな時間で楽しめそう。現在の勤務校のように学年２００名近い規模よりも、小規模校の方がこの土地の良さを活かせるような印象を受けた。
■小学校や小規模校におすすめ
森の体験館では、色々なメニューがあり、オリジナルの作品が手軽に作れ、手作りを楽しめる小学生に向いた施設だと思う。個人的には「森林セラピー」に興味を持った。宿泊施設は小規模校向き施設で、川遊び、魚のつかみどり、キャンプファイヤー、飯ごう炊さんや肝試しなど自然を満喫できる。
■民泊はつながりを感じる体験に
民泊体験後に生徒の様子が変わることがあるという話を聞いた。普段できない体験ができると心の変化が生まれてくるのだろう。私自身、また教員になってから学校行事としても民泊を体験したことがなく、一度体験してみたい。初対面の人と生活することで人とのつながりを感じる体験になるだろう。
■全ての子供達へ向けた学習プログラム
体験学習プログラムが豊富であることに目を引いたが、ラフティングなどのハードな体験だけでなく、テーマに沿った体験プログラムなども用意され、体力のある男子だけでなく、インドアの生徒達も含めて全ての子供達への対応がなされていることに感銘を覚えた。都内からの修学旅行、林間学校等も視野に入れられる。
■「おもてなしの心」に感動
体験学習がまとめてできる「たくみの里」で、温かく迎え入れてくれた現地の人の「おもてなしの心」に感動した。こんにゃく作りやそば打ち体験はとても楽しく、またおいしくいただいた。特にこんにゃく芋がどんなものなのかがよく理解でき、多くの農作物を育てていることがわかった。
■都会の生徒に味あわせたい風景
たくみの里のそば打ちや名産のこんにゃく作り体験、工房でのモノづくり体験の楽しさや職人とのふれあいは、貴重なものになると思う。体験活動への興味もさることながら、美しい山々に囲まれ、田んぼを見ながらの回遊は和みと癒しの協奏。素朴な田舎の魅力を体感することも、都会の生徒には味あわせたい。
【2014年9月15日号】
