子供の興味関心を刺激して学びに導く効果が期待される「出前授業」だが、外部講師の選出から授業の構成など多忙な教員に代わって学校と企業等の外部講師をコーディネートする「墨田区学校支援ネットワーク」の事業報告が行われた。参加企業・グループや教員との交流の機会のフォーラムとして8月27日、墨田区内で開催された。
地域住民の知識・技能や企業の専門家を、学校の出前授業で外部講師として招く取組を進める同ネットワークは、墨田区内の小中学校を対象に2009年にスタート。2023年度事業報告では、年間の出前授業の実施校数は延べ247校(2月15日現在)。21年度188校だったのに比べて、明らかな増加。「コロナ禍の影響が落ち着いてきた」とネットワーク事務局は報告した。
出前授業の分野は「言語活動」や「理数教育」、「伝統・文化」、「キャリア」、「食育」など11項目にわたる。23年度は「キャリア」が71校で最も多く、次いで「道徳教育」(41校)、「安全教育」(28校)、「伝統・文化」(27校)、「食育」(21校)など。また実施された出前授業の具体的なテーマでは「租税教室」(35校)が最も多く、その他には「認知症って何だろう?」(25校)、「昔の暮らし体験等 郷土文化資料館」(同)、「水道キャラバン」(20校)、「薬物乱用防止教室」(15校)、「すみだ清掃事務所の出前授業」(13校)などだった。
月別の実施状況は2月(36校)、6月(35校)、7月(33校)に集中した一方、学校行事が多い2学期や新学期から間がない4~5月、年末・年度末に近い12月や3月は少ない傾向がみられた。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年9月23日号掲載