立命館大学は2024年4月、大阪いばらきキャンパス(OIC)新棟が竣工するのに伴い映像学部・研究科、情報理工学部・研究科を移転し、映像と情報という新時代を担うメディアの融合など、2030年を見据えた学園ビジョンを発信している。スローガンは「挑戦をもっと自由に」。仲谷善雄学長は「勇気と決断をあらわした」言葉だと語り、新棟を基軸として「社会に求められるスタートアップ人材を生み出す、多彩な仕組み、未来志向の施設が整った」と強調した。
OIC新棟の展開と学園ビジョンについて仲谷善雄学長は先ごろ、2030年に向けた同学の中期計画と学園ビジョン「挑戦をもっと自由に」とOIC新展開の事業を次のように語った。
「メタバースや生成AIの登場など、様々なデジタル技術の急速な発展により、つながりのチャンネルが爆発的に増えた。学びの本質とは、新しい学びとは、コミュニティとは何か、大学は社会に世界に、どのように貢献できるのか。様々な問いが生まれ、大学として考えた。その一つの答え、挑戦が、今回のOICの新展開です」
「学生達、教職員達、本学とかかわりを持つ様々な人々が伸び伸びと各々の興味関心、知的好奇心に基づいた活動に打ち込み、成長発展していく挑戦の場として、新棟から広がるトライフィールドの準備ができた」
「OICは学生や社会人や、リアルにバーチャルにここを訪れる多様な人々がトライできるトライフィールドとして進化し続ける。OICは変わる大学を象徴する一つの場。変化の先にある新しい学びを作っていく」。
新棟が完成後の来年4月から、OICには映像学部・研究科、情報理工学部・研究科が移転。合計6学部・7研究科で学生数1万489人、教員数619人となる。
立命館大学の「トライフィールド」は、「映像学部・情報理工学部の移転」による「クリエイティブな発想の育み」、「多様なプレイヤーとの協働」を展開する。
「映像学部・情報理工学部の移転」は、デジタルとクリエイティブが融合・進化するトライフィールド。映像学部・研究科は社会的な要請にこたえるクリエイティブ人材の育成を目指し、入学定員を現行の1・5倍の240人に拡大、5つのゾーン(映画芸術、ゲーム・エンターテインメント、クリエイティブ・テクノロジー、映像マネジメント、社会映像)で新展開する。情報理工学部・研究科は4つの新ユニット(データサイエンス、AI、DX、IoT)で専門性を磨き、授業は全て英語でグローバルICT人材を育成する。正課と連動する学習支援をメタバース空間で提供する。
「クリエイティブな発想の育み」はタブーなき挑戦を通じてスタートアップを生み出すトライフィールド。大学だからこその「トライ&エラー」の場として、社会とつながることで創造性を刺激する風土を醸す。
「多様なプレイヤーとの協働」は異次元のつながりが新たな価値を創出するトライフィールド。学外のパートナーなどとの連携に豊富な実績がある同学が「共にTRYする場」、イノベーション創出の拠点を目指す。
トライフィールドは「リアル」と「バーチャル」が融合・化学反応することで価値を生み出す場。新棟の内部には多様なプレイヤーの活動を促す広いオープンスペースを確保。リアルとオンラインのハイブリット授業や効率的な反転授業、遠隔地とのシームレスな接続、大教室の中に各グループワークができるシマが包括される柔軟な空間構想となっている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年8月21日号掲載