地域社会と連携し、継続的に環境美化に取り組む全国の小・中学校を表彰する、(公社)食品容器環境美化協会(食環協)の「第23回 環境美化優良校等表彰事業」の受賞校が決定し、最優秀校4校、優秀校6校、優良校19校が表彰された。最優秀校の埼玉・安行小はリサイクル活動に参加することで受領できる校内環境通貨を発行し、「エコマート」で使えるなど、楽しく続けられる活動を工夫するなど、受賞校はそれぞれにユニークで注目される活動内容だった。
同事業は独創的な環境美化教育として、継続的かつ熱心に取り組み地域社会と連携して「公共の場所の美化」または「飲料あき容器等のリサイクル」を実践することで、地域の環境美化に大きく寄与している小・中学校等を選出し表彰するもの。1月27日には都内で表彰式が行われた。今回の最優秀校は次の4校。
▽文部科学大臣賞=秋田県・大仙市立大曲南中学校▽農林水産大臣賞=青森県・蓬田村立蓬田中学校▽環境大臣賞=埼玉県・川口市立安行小学校▽協会会長賞=鹿児島県・与論町立茶花小学校
他に優秀賞6校、19校が優良校に選定された。
環境大臣賞を受賞した川口市立安行小学校(春川嘉孝校長)は、児童を中心に家庭・地域が一体となった牛乳パックや古紙のリサイクル活動を行っている。2013年から開始。当初は牛乳パックのみだったが、より持続可能な活動につなげるため古紙回収も行うようになった。
毎月1回「紙の日」を設定し、現在は住民や地域団体からも古紙が届けられるなど、協力体制が整っているという。集めた牛乳パックや古紙は近隣の福祉施設に入所する人たちが来校して回収、トイレットペーパーに交換する。リサイクル運動が地域連携と障害者の雇用にもつながった。リサイクル活動に参加すると校内環境通貨「くすのきチケット」が発行され、同校の「エコマーケット」で買い物できる仕組みが注目される。
「エコマーケット」は安行小まつりで児童が担当するブースで、地域住民の協力や指導のもと育てているオタマジャクシやカイコ、ゴーヤの種、児童が手作りしたエコグッズ等が並ぶ。楽しみながらリサイクル活動に参加できることが、さらに積極的な活動につながり、毎年約900個のトイレットペーパーを交換するまでに発展した。同校の取組は、リサイクルが福祉教育にもつながり、自然の中の大きな循環の輪に広がっていることが高く評価された。
他の最優秀賞受賞校3校でも、児童生徒が主体となり海や川の清掃活動や地場産業の体験学習など、地域との繋がりと環境保護、発信力のある取組が行われていた。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年2月20日号掲載