日本旅行、大修館書店、紀伊國屋書店は「校内から校外へ―ICTの活用から生まれる探究活動の発展的なサイクルとは?」と題し、共催セミナーを10月22日にオンラインで開催した。高等学校の探究の時間で、より実際に即した教材の在り方の提案や教材について、現場の教員やプログラム等の開発企業からプレゼンテーションが行われた。
関西学院千里国際中等部・高等部の米田謙三教諭は「いよいよ始まった探究学習 となりの学校は何してる?PART1」と題して講演。高等学校で始まった「総合的な探究の時間」だが、「どのような課題を設定すれば良いか」「どのような教材を使って授業を行えば良いか」など多くの教員が悩みを抱える。
探究の授業展開としては、教科(横断型)の中で取り組むだけでなく、一定期間テーマを決めて行うケースや児童生徒が自由に興味・関心にあわせて行うケース、そして修学旅行等の学校行事や成果発表で取り組むケースもあると語る。
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日本旅行は探究学習をサポートする上での課題として、生徒と企業による連携は少人数の生徒に限られてしまい、学年全体の取組につながらない点を挙げる。そこで取組を広げるため修学旅行を活用した地域課題を学ぶ探究学習を提案する。
八重山では海洋プラスチックゴミ問題を企業と連携して取り組むプログラム、熊本では災害と共生して生きる人々の力強さを学ぶプログラムを展開。そして「京都探究プログラム」は修学旅行で京都のまち歩きをしながら持続可能なまちづくりについて考えるワークブック教材となる。「京都探究プログラム」は大修館書店の「アクチュアル」にも実装されている。
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大修館書店の「アクチュアル」はフィールドワークもサポートするオンライン型探究教材。アクチュアルを活用することで探究活動の全てが端末上で完結する。多数の教材を用意しているほか、学習管理機能として活動の進捗状況を端末上で確認できる。
教材の「ミドル探究」には日本旅行提供の「京都探究プログラム」を収録。最初に自分の町について調べ、経済・社会・環境の3つの観点から京都について調べるように展開。生徒はワークシートに沿って活動を進め、京都の町から得た知見を通じて、自分の町をより良くするにはどうすれば良いかを発表する。
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紀伊國屋書店では探究活動で使えるオンラインツールとして「ジャパンナレッジSchool」「LibrariE」「アクチュアル」などを扱っている。「ジャパンナレッジSchool」は中高生の調べ学習や探究にも役立つ辞事典や参考書などをオンラインで利用できるインターネットサービス。「LibrariE」は電子書籍が約10万点搭載された電子図書館サービス。「アクチュアル」を含め、こうした複数のオンラインツールを組み合わせることでICTを活用した探究学習が実現するという。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年11月21日号掲載