東京都公立中学校の北海道方面修学旅行の出発式が6月29日、JR東京駅丸の内地下にある学生団体待合所で行われた。東北・北海道新幹線の連合体輸送のコース設定後、都内公立中学校では今回が初めての修学旅行となる。
東京都中学校長会修学旅行対策委員会(事務局=公財・日本修学旅行協会)は連合体輸送の各方面初日の出発日に、修学旅行の安全な実施とJRなど関係者へ感謝の思いを込めて出発式を開催してきた。北海道方面修学旅行は2020年からの実施予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で2年にわたり中止となったため今年が初開催となった。
出発式に参加したのは午前8時20分発「はやぶさ7号」に乗車する東京都狛江市立狛江第四中学校の3年生109人。同委員会委員長の光山真人氏(葛飾区立本田中学校長)から「3年ぶりの修学旅行となりますが、今回の連合体輸送ではJR東日本やJR北海道の協力により座席を確保できた。JRや北海道観光振興機構など多くの関係者が、みなさんの修学旅行の成功を願って動いてくれた。3日間を元気に過ごして無事に帰ってください」とあいさつ。
狛江第四中学の生徒を代表して枝川拓功さんが「制限のある日常生活の中、私たちの中学校生活は思い描いていた行事ができないこともあったが、多くの人に支えられて中学校生活最大のイベントである修学旅行が実施できる。北海道や青森の素晴らしい風景を自分の目で見て、世界文化遺産から歴史を学び、伝統ある文化に触れながら、一生忘れない修学旅行にしたい」と力強く述べた。
続いて枝川さんは牧将充さんと共に生徒を代表して、感謝の気持ちを込めてJR関係者に花束を贈呈した。
JR東日本東京駅の髙島剛副駅長は「おそらく、指折り数えて今日の日を待っていたことでしょう。旅先では歴史や文化などを学んできて。ルールを守ることで、最後に『楽しかった』と言える修学旅行となるはず。厳しい暑さが続くが、体調管理をしながら修学旅行を楽しんでほしい」と生徒を送り出した。
同委員会の集計によると、東海道新幹線の修学旅行専用列車(貸切運行)を利用するのは春期(5月17日~6月9日)が202校・2万6802人、秋期(8月31日~10月11日)が264校・4万542人。一般定期新幹線(一般客と混乗運行)を利用するのは東海道新幹線が13校・256人、東海道・山陽新幹線が13校・2023人、東北新幹線が4校・603人、北陸新幹線が9校・1134人、東北・北海道新幹線が1校・109人で、今年度合計501校7万1469人となる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年7月18日号掲載