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教育旅行

福島の未来を考える場 東日本大震災・原子力災害伝承館

2022年2月21日

「東日本大震災・原子力災害伝承館」が、福島県双葉町に開館してから、1年以上が経った。同館では、2011年に起きた東日本大震災及び「東京電力福島第一原子力発電所事故」による、福島県で発生した世界初の甚大な複合災害の記録・教訓と、着実に復興へむけて進むこれまでの過程を時系列でまとめて紹介。同県だけが経験した甚大な原子力災害を風化させることなく、後世に向けて継承・発信する。

導入として、床面を含めた7面スクリーンで映像を上映。震災前後から現在に至るまでの生活の変化などを紹介

■原子力災害から10年 福島でのみ学べる教訓

福島県だけが経験した甚大な原子力災害の経験や教訓を活かした「防災・減災」が学べるほか、復興を担う人材の育成なども担う同館。展示ブースの入口となるプロローグシアターでは、巨大なスクリーンによる映像で、震災前の生活から震災を経て、復興へむかう歩みまでを表現している。

展示全体の流れとして、震災前の地域の生活、地震・津波そして原子力発電所事故の発生から住民避難の変遷、復興や廃炉に向けた取組について紹介することで、原子力発電と震災での事故が地域にどのような影響を及ぼしてきたかを、臨場感をもって辿っている。

次に、5つの各ゾーンのテーマを簡潔に説明する。

1ゾーン「災害の始まり」では、様々な資料・証言・事故調査の記録から複合災害の始まりを克明に描いている。

2ゾーン「原子力発電所事故直後の対応」では、国内外からの様々な支援や当時の報道の様子を伝える。

3ゾーン「県民の想い」では、震災前の日常が事故を機にどのように変わってしまったのか、当時の証言や思い出の品などの展示を組み合わせながら来館者に伝えている。

4ゾーン「長期化する原子力災害の影響」では、原子力災害が長期化する中で発生した様々な影響とその対応について、資料や解説を通じて学べる。

5ゾーン「復興への挑戦」では、廃炉作業の進捗、福島イノベーション・コースト構想などの取組を中心に紹介。県民や行政など福島県が一体となって、困難を乗り越えて復興に挑戦する姿や、まちづくりシミュレーションを体験できる「みらいのまち」などを通じて、来館者にも福島の未来について考えてもらうきっかけを提供する。

■体験学習向けのプログラムも充実

入館者の都合に合わせた研修プログラムの組合せが可能であり、語り部講話やフィールドワークなどのメニューを用意。語り部講話では、災害を実際に経験した人々の生の声を聞き、当時の体験を自分事として置き換えることで、防災への理解が深められる。フィールドワークでは、津波で被災した施設や原子力災害により長い間、人が住めなくなった地域とその復興の状況を間近で直接見て学ぶツアーを実施している。

駐車場は大型バス10台の駐車が可能。

詳細=https://www.fipo.or.jp/lore/

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年2月21日号掲載

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